統一理論

ノーベル賞ウィークということで、日本人の受賞のニュースも流れている。
2015年の今年は、物理学では梶田隆章・東京大宇宙線研究所長が受賞された。

物理学と言えば、物理学の分野では、統一理論というのが重要なテーマになっている。
ざっくりと言ってしまえば、電気力、磁気力、弱い力、強い力、重力というばらばらに存在するように見える4つの力を、1つの理論によりまとめてしまおう、というものである。

現在のところ、重力を含めた統一理論(大統一理論)はまだできていないようであるが、そのうちにアインシュタインのような天才が現れて理論の完成を見ることだろう。

なぜこのような統一理論を探すのか、という問いかけをしたくなる人がいるかもしれない。

いろんな理由があるのだろうが、その中の1つに、原理原則、本質が分かれば、さまざまな応用ができる、というのがあるのは間違いない。
よりシンプルに様々な事象が説明できれば、全てが関連付き、ばらばらではなく1つの理論の中でのバリエーション、という考え方ができるようになる。
講師のブログでこんな話をするのには理由がある。
今の時代は、研修講師のスキルは研修講師のスキルとして、ファシリテーターのスキルはファシリテーターのスキルとして、スポーツのコーチはスポーツのコーチのスキルとして、学校の先生は学校の先生のスキルとして、それぞれがばらばらに研究を重ね、スキルの向上を図っている。

物理学の例で言えば、それぞれの力がばらばらに研究されているようなものだ。

私は、研修講師として、ファシリテーターとして、スポーツのコーチとしての活動もしている。
勉強のために、学校現場の資料を読んだり、ビジネスの現場での人材育成に関する研修も実施しているし、コーチングのビジネス分野での適用実績もある。

私のように、あちらにもこちらにも興味を持ち手を出している人間は少ないのかもしれないが、それぞれを突き詰めていくほど、共通のものが見えてくる。

プロ野球の落合監督、サッカーのオシム監督などが実践されていたこともその目的と共に理解できるし、学校教育の現場で行われている「学び合い」の活動についても、方法論も含め納得できる。
IT系の雑誌に書かれているヒューマンスキルに関する内容も同じである。
「研修講師養成講座」という良書があるが、その中に書かれているのはほぼほぼ私が実践し、講師育成研修などで伝えていることである。
ならば、と考える。
物理学のように、大統一理論というほど大げさなものでなくても、本質となる共通の部分をきちんと学ぶことができれば、さまざまな応用ができるようになるのではないか。
現在、部下の育成に悩む方に対してコーチングの研修をさせていただいている。
そこで行っているのは、単なるコーチングのスキルの説明ではない。

人の力を引き出し、自主性を引き出すための本質的なことをお伝えし、訓練ができる下地を作らせていただいている。

全6回の足かけ半年のコースであるが、3ヶ月が終わった段階でかなり強く意識が変わってきたことが感じられる。

あと3ヶ月の研修が終了したときには、部下との接し方だけではなく、お客さんとの接し方、会議でのあり方なども変わり始め、さらに訓練が進めば明確な成果が見られるようになるだろう。
さらに、今月の末から、人材育成に関する勉強会を開催することになった。

そこでは、将来的に、さまざまな分野の人材育成に興味がある人に参加をしていただいて、人を育てることの本質とそのバリエーションを広めるきっかけになっていきたいと考えている。
全ての人が自分の持つ力を発揮し、自分の意思により幸せな人生を送ること。

そんな世界が実現してもノーベル賞の受賞対象にはならないだろうが、大統一理論の完成よりも世界に与えるインパクトは大きいかもしれない。

目指すところは、その大きなインパクトである。

大げさかもしれないが、夢は大きく、である。

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