講師のスキルはリーダーのスキル、人との接し方のスキル

先のブログで社内講師を育てる仕事をしたい、と書いた。

ここでは、講師に必要とされるスキルについて書く。
これは、社内講師を育てる際に学んでもらうことになる項目でもある。

まず思いつくまま、講師として必要なスキルをあげていこう。

・観察力。
・課題発見、解決力。
・カリキュラム作成能力。
・話す力。
・受け容れる力。
・律する力。

次に講師として知らなければならない知識や意識についてあげてみよう。

・サーバントリーダーシップのありかた。
・学びに関する心理学的な知識。
・モチベーションに関する知識。

このように書くととてもシンプルであるが、例として「話す力」の詳細をあげてみよう。

・大きな声を出す力。
・よい発音をする力。
・話す速さや声の大きさなどをコントロールする力。
・相手の声を聴く力。
・相手の言葉で話す力。
・相手にどのように受け止められるかを想像する力。
・自分の話していることを、自分で聴く力。
・リアルタイムで話を構成する力。

などとなる。

それぞれの項目も、人によっては身につけようと思えばそれなりに時間がかかったり、意識の変換が必要になるものばかりであろう。
特に上記では一行で書いてある「サーバントリーダーシップのありかた」については、含まれる内容はとても多く、意識の変革が必要になる人も多いに違いない。
だが、これこそが社内講師育成の一つの肝であり、それ以外は、サーバントリーダーシップを研修に活かす際に必要になる要素と言ってもあながち間違いではない。

これまでの経験上、既にもっている既成概念を覆して新しい概念を受け容れてもらうことは難しいことが多い。
だが、それをしなければ身につけられないことがあるのも、また間違いない。

社内講師育成と言うと「技術者を講師にするつもりはない」というリアクションをよくもらうのだが、「技術者をリーダーにするつもりはない」というところはないだろう。

よい講師はサーバントリーダーであり、サーバントリーダーシップを学ぶことでよい講師となり、よいリーダーになれるのだ。
だから「技術者を講師にすること」は「技術者をよいリーダーにすること」につながる。

マネージャ研修を受けても成果が出ない、というのは、知識は与えられても、必要な意識の変革やスキルの定着ができなかったからだろう。
だから、実践を含みつつ、長い期間をかけて実施し、意識の変革やスキルの定着を図る社内講師育成というのは、最も理想に近いところにあるリーダーシップ研修であるのだ。

これまで講師育成をしてきて「人生が確実に変わった」「今までの部下に謝って回っている」「これまで何をしていたんだろう」「家族との接し方が変わった」「人の話を聴けるようになった」などの声をいただいてきた。多くは社会人経験も長い40代、50代の方の声である。

講師育成ではあるが、講師だけには留まらない「人との関わり方に関するライフスキル」を学ぶものとしてとらえてもらっても、間違いではないだろう。

本当の「講師スキル」は「上手に話すスキル」でも「プレゼンテーションのスキル」でもない。
そのことを伝えていきたい。

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