社内講師がお勧め

私はよく「社内講師育成をしませんか?」と言う提案をしています。

私自身が研修講師の仕事をしているので、研修を内製化しましょう、と提案するのは自分の首を絞めていることになります。
仕事上のクライアントの中に商売敵を作りましょう、と言っているのと同じだからです。
だから、一般的な研修会社の研修項目には含まれません。
私のように「育てる文化を広めることが責務である」と考えているようなところでないと提案できない内容なのです。

もちろん、私自身も見つけたクライアントが独立して離れていくのは営業的には厳しいことです。
ですが、クライアントのためを考えるとやはり社内講師を育成していくのが一番よいと考えます。
このような提案をさせていただくと「技術者を講師にするつもりはない」というお返事をいただくことがあります。

ですが、講師にすると考えるのではなく、次のように考えてみたらどうでしょうか。

・講師のように短時間でグループをまとめるスキル。

・講師のように的確に伝わる言葉を使えるスキル。

・講師のように人を育てるスキル。

・講師のようにメンバーのモチベーションを高めるスキル。

・講師のように人を観察するスキル。

・講師のようにこれらのヒューマンスキルが関連づけられて実践的に身につく。

講師スキルというのは、プロジェクトマネージャー、リーダーなどに必要とされる実践的なコミュニケーションスキルの塊です。

上記のようなスキルを、例えばプロジェクトマネージャが持てば、プロジェクトのマネージメント、運用がどれぐらい変わっていくのか、想像することは難しくありません。
このようなスキルを身につけた技術者が社内にいる強みは、長期的な競争力を飛躍的に伸ばしていくことにもつながるでしょう。

ですから技術者が講師スキルを学ぶことはとても「お得」なことなのではないかと思っています。

研修講師としても、社内で本当に必要とされている技術などを伝えることができます。

私のような社外講師では、どうしても社内で本当に必要とされている技術にマッチさせることができない部分が残ります。
そういうときには「一般的な解」で研修をせざるをえません。

社内研修講師であれば、とことん、社内で必要となる内容を突き詰めることができます。
長期的なコストも安くなります。

社内講師となる方がスキルを身につける際には、講師育成研修のコストがかかりますが、それ以降のコストは、社外講師を依頼するよりは安くなることでしょう。
こう考えていくと、社内講師の問題点は2つだけです。

・講師育成にかかわる時間と費用を捻出できるか。

・社内講師育成研修のためのスケジューリングを行えるか。

この2点をクリアできれば、より低いコストで、より社内の需要にマッチした研修を行え、おまけとして、優秀なリーダーが成長するというメリットがついてくるのです。
特に、教育の必要性を感じているがコスト面でなかなか難しいと考えている中小企業においては、より有効な手段となります。
一社だけではコストなどの面から難しいことも多いでしょうから、複数社が合同で社内講師育成研修を開いてもよいでしょう。
せっかく入社してくれた新入社員をできるだけ早く戦力にし、また辞めさせないためにも、強く「社内講師の育成」をお勧めします。
早速、今年の新入社員研修からいかがでしょうか。
平日の社内講師育成研修への参加が難しければ週末を利用する研修も設定できます。

「せっかくの休みなのに・・・・」という心配も不要です。
楽しい研修はリフレッシュにもなります。
私のところでは講師育成費用は講師の人件費として考えており、25名程度までは一定なので、人数が集まれば集まるほどお得になります。

社内講師研修を受けられる方が2名おられた場合、1日の研修費用が20万円だとして5社10名が集まれば一人あたり2万円の負担となります。
一人あたり1日10万の負担は無理でも、1日2万の負担ならなんとかなるのではないでしょうか。
もし、20名も集まっていただければ、一日1万円で受講可能です。

協力会社、グループ会社が集まればグループ内でのつながりも強く、コミュニケーションも良くなることでしょう。
会社も、新入社員も、そして私も、みんなが幸せになれる社内講師育成研修を、ぜひご検討ください。

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