センター試験廃止

NHKで1979年からの共通一次、1990年からのセンター試験と長い間続いてきた、大学入試のための学力評価試験が廃止されることになる、というニュースが流れていた。

共通の試験がなくなる、わけではなく、実施内容や方法が変わるそうである。

大きなテーマは「知識の活用」だそうだ。
知識を暗記することが主要な要素であったセンター試験の見直しである。

例えば、国語と英語をあわせた言語という分野の問題が出るなど、複数教科にまたがる問題を出すとか、記述式問題を含めるとか、英語では「聞く・話す・読む・書く」などの評価をするために外部試験を活用するなどである。

他にも、年に複数回の試験を実施する、点数ではなく段階的な評価とする、なども変更点である。

また、小論文・面接など多様な形での評価を求める、というのも制度の違いとしてあげられていた。
これらの変化は良いものであると思う。
だが、いろいろと物議を醸したゆとり教育も、ちゃんと機能すれば「良いもの」であったはずだ。
ゆとりにより生まれた時間を、きちんと考える教育の時間にすることができれば、ゆとり教育の目指したものを実現できたはずである。

だが、できなかった。

原因は、現場がそれに対応できなかったことだろう。
今回の試験制度の変更を、ニュースの中で学習塾の担当者が「教育が変わらなければならない」と言いつつも「理想論」と表現していた。

私なんかは、まだまだ本来目指すものとはちがうと思うので、このレベルで理想論と言ってしまう教育業界にも問題があるとは思うが、今まで求められていた「暗記をいかに効率よく行うか」に「考えなければならない要素」が入ることは、パラダイムシフトとも言える出来事なのだろう。
ゆとり教育の時代とちがうのは、学力評価試験があるために必然的に何らかの対応が求められてしまうことだろう。
分からないから放っておけ、という対応ができなくなるのだ。

時間が経てば「受験テクニック」に落ちていってしまうのかもしれないが、できれば本当に考える教育に舵を切るきっかけになって欲しいと思う。

ゆとり教育における「現場が対応できなかった失敗」を繰り返さないためにぜひとも、新しい試験制度に対応する「現場の対応する力」を育ててもらいたいと思う。

そのための方法論は既にあるのだから。

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