講師育成はマネージャ育成と同じ

今年も講師育成研修に携わる機会をいただいた。

講師育成のカリキュラム設計や実施スキルは、そのままマネージャや教師など、人を育てたり、チームを運用したりする人を育てる研修に適用可能である。

講師育成研修では、方針の決定、カリキュラムの作成、講師育成を担当する講師の育成、意識付けの研修実施、実施中の他の講師へのフィードバックやアドバイス、参加者のモニタリングなど、全般に関するマネジメントを行っているが、その中で、人の意識を変えていく研修のあり方について、方法論としてある程度確立できたと考えるようになった。

また、それを担当する講師に必要なスキルについても、かなり明確になってきた。
もちろん、講師の仕事に100%はないので、さらに学び続けることになるが、現時点である程度の成果を「見込める」ようになったと判断してもよいと思う。

これまで、その方法論で構成された講師育成研修に参加してくださった方の中には、研修での講師経験のあとに、現場に戻られて大きく成長されたという報告を受ける方が、かなりの数おられる。
現在進行中の講師育成においても、家族との関係が変わった、というお話をうかがうこともあるが、これも研修の成果の一つだと思う。

これらの経験と実績を元に、今年はマネージャやチームリーダー向けの研修を実現していきたいと考えている。

実は講師としてのスキルや意識は、そのままマネージャやチームリーダーのスキルや意識になる。

講師を「説明する人」ととらえている限り、講師とマネージャの関連性は見えてこないだろうが、講師を「研修現場の成果を最大化することが目的のリーダー」としてとらえてみたらどうだろうか。

リーダーの役割は「チームの成果を最大化すること」であり、講師の役割も「チームの成果を最大化すること」である。
成果そのものが作業の結果であったり、売上の向上であったり、成長であったりはするが、結局は、チームメンバーがその気で動くようにならなければ実現できないという点では同じことである。

だから、よい講師であるということは、よいリーダー、マネージャになれるということなのだ。

ちなみに、よい講師であるために必要なスキルを以下にあげてみる。

・観察スキル
・カリキュラム(グループワークのシーケンス)設計スキル
・ストーリーテリングのスキル
・質問のスキル
・グループワークの結果のハンドリングスキル
・学ばせたいことに対する体系的な知識
・学ばせたいことに対する学び方の知識
・即興力
・ファシリテーションスキル
・コーチングスキル
・カウンセリングに関する知識
・自然な演技力
・目的、目標設定スキル
・チームのメンバーを成長させる意思
・チームの目的を見失わない自制心
・チームを最優先に考える自制心と意思
・チームを活かす行動を起こすための自律性
・総合的なコミュニケーションスキル
・などなど

これらが備わっているのはよい講師だと考えるが、よいリーダー、マネージャにもつながることは間違いない。
これらの習得には、意識の変化、考え方の変化、そして訓練が必要となる。
講師育成研修では、実際に意識の変化、考え方の変化を生み、行動の変化につながることを実現している。
行動の変化に対応する結果は、開始2週間で、すでに参加者が認識できる形で現れている。
もちろん、チームでの学びをベースとした訓練をたくさん重ね、定着を目指している。
知識を伝達しても、意識や考え方の変化は起こらない。
訓練を重ねなければ、行動の変化の定着にはつながらない。
私の担当する研修の実施中に、それを見ていた講師仲間が言ったひと言がとてもおもしろかった。

「当たり前のことを言っている、と思っているんだろうな。」

その研修の様子をご覧になっていた別のお客さんの反応を見ての感想だが、間違いなく、私の研修では「当たり前のこと」を伝えている。

本やネットを見れば書いてあるようなことだけである。
特別なことも、楽をするための技法も伝えてはいない。
時間もかかる。
話すだけなら30分もあれば終わることを、1日かけて伝える。

だが、参加者の、意識が変わり、行動が変わる。
そんな研修を一緒にやっていただける方がおられれば、ぜひご連絡をお願いしたい。

2週間~4週間程度の長期の研修を想定しているが、これまで意識が変えられなかったことは一度もない。

だが、私は集客が得意ではないし、講師のスキルを高めることにエネルギーを使いたい。

見ていた方や受けていただいた方には「必ず需要がある」と言われるが、今の日本にはない研修のため、言葉で説明して理解してもらうのは難しい。
だから、一緒に広め方を考えてくれるところからでもよい。

講師スキルを学びたい、でもよいし、意識の変わる研修を広めたい、でもよい。

一緒に歩いていただける方を増やしていきたい。

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