グループワークの作り方

私のブログを見ていると「グループワーク」で検索されてきてくれる人が多いようである。

そこで、今回はご期待に(?)お応えしてグループワークの作り方について少し話してみたい。

少し前に「ワークを作る」というタイトルで関連する内容を書いているので、それも合わせてお読みいただけるとよいだろうと思う。
http://www.technosense.co.jp/blog/archives/802

まず、研修においてグループワークを導入する理由を考えてみたい。

いくつかある。

・楽しい
・集中できる
・自発的な行動となる
・気づきを得られる
・受講生を観察できる

「楽しい」というのは私の研修を通してのキーワードでもあるが、人間というのは楽しくなければ学べないものである。
いろんな楽しいが存在するのだが、グループワークではいろんな楽しいを実現しやすい。

楽しければ「集中できる」。
誰もが、楽しいこと、例えば趣味などに「没頭」した経験をお持ちだろう。
研修に没頭することができる、というのはとてもいいことに違いない。

没頭するというのは「自発的な行動」である。
自発的な行動は多くの「気づき」の源となる。
考えたり、理解しようとしたりする行動無しには「気づき」は生まれないからだ。

グループワーク中の講師は、基本的には「ひま」である。
受講生を見ていることしかできない。
だが、見ていることによってそれぞれの受講生の個性や癖が見えてきて、それは後ほどの研修に大きな参考になる。
ただ「見る」のではなく「観察する意識」を持てば、多くの貴重な情報を得ることができる。
これらがグループワークを導入すべき理由の「一部」である。
他にもまだまだあるが、それはここでは省略する。
次に「何をするか?」である。

ネットで検索してもさまざまなグループワークの課題があることが分かる。
ついつい「どれにしようかな・・・天の神様の・・・」などとやりたくなるだろうが、それでは意味がない。
「これはおもしろそうだな」という観点もちょっと違う。

グループワークを実施するためには、必ず目的を持たなければならない。

例えば、お互いを知り仲良くなる、他の人の価値観があることを理解する、自分の癖に気が付く、など、さまざまな目的を考えることができるが、グループワークの課題を選ぶときには、まずその「目的」を明確にしなければならない。
アイスブレークなのか、何らかの気づきを生みたいのか、習熟するための訓練としたいのか、など、とにかく目的ありき、なのだ。

目的というのは、研修の流れで決まったり、問題点を発見したときの対応として出てきたりする。
その目的に合わせて課題を作ったり選んだりしなければならない。
目的が決まれば、あとは課題を作ったり選んだりする「だけ」である。

作るために必要なのは「想像力」と「創造力」だ。
いろんなことを思い浮かべ、一人でブレインストーミングをしたりする。
さまざまなアイデアを考えて、実施したら何が起きるかを想像し、グループワークに参加する人の気持ちを想像して、目的を達成できるかどうか考える。

選ぶ場合にも、選んだグループワークを実施したら何が起きるかを想像し、グループワークに参加する人の気持ちを想像して、目的を達成できるかどうか考える。

グループワーク集には「何々のために使うグループワークです」などという説明がある場合があるが、その説明通りになるとは限らない。

つまり、作る場合も、選ぶ場合も、それを実施したらどうなるかを「想像」することが欠かせない。

想像する力を養うためには、いろんなグループワークを実施して観察することが必要だろう。
場数を踏むことが、よりよいグループワークの実施につながっていく。
最後に「どのように実施するか?」である。

グループワークのやりかたの説明をし、「さあ始めてください」と言ったとたん、受講生がきょとんとする、などという経験をお持ちの方も多いだろう。

どのように気持ちを高めてグループワークに入らせるか、というインストラクション(指示)が大切である。

グループワークを実施するための目的を説明する場合も、説明しない場合もある。
どちらがよりモチベーションにつながるかを考えて判断する。

練習が必要なら練習の時間を設けることもある。

どのぐらいの時間でグループワークを実施するかも考える。
時間が足りないのも余るのも良くない。
だが、どちらかといえば、短めに設定し、必要ならば延期する方がモチベーションを維持しやすいが、最初の時間の見積もりは重要である。

実施方法の説明は、できるだけシンプルな言葉で漏れなく行うとよい。
長々と説明していると、説明の間だけで受講者が飽きてしまうこともある。

どのような言葉を使って、どのように説明をすればよいのかを考えてインストラクションをデザインしていくのだ。

そして、その練習をする。
しっかりと練習をすることで、余裕を持ってインストラクションができるようになるだろう。
より具体的な内容を伝える研修の実施を考えています。

「研修で利用するグループワークの企画と実施を学ぶ」
http://www.street-academy.com/myclass/3231

「社内研修講師の方にプロ講師のノウハウの核心をお伝えします。」
http://www.street-academy.com/myclass/3225

まだ開催日などは決めていませんが、受けたいと言ってくださる方が多ければ開催日を決めて実施したいと思います。

興味のある方はぜひ「受けたい登録」をしてください。

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