受講生を信じること

研修講師、少年スポーツのコーチをしていると、教育関係の仕事をされている方や、スポーツの指導者の方と話をする機会がある。

以前は、話している時に、たまに不思議な感じを受けることがあった。

基本的な考え方は同じように感じられるのに、なぜか結論が異なるのだ。

途中まで同じなのだが、研修をどのように実施するか、練習のメニューをどう作り、実施するか、が全然違ってくる。
コーチングを学び始めた最初の頃はそれが不思議で仕方がなかった。
だが、何度もそういうシーンに遭遇し考え続ける事で原因が見えてきた。
何が違うか。

分かってしまえば簡単だった。

違いを生む原因は、

「信じているかどうか」

だったのだ。
受講生や子供達を信じることができるか、信じ切って任せることができるか。

これはとても大切な事である。
研修などをしていても、期待通りの成果が出ないことはある。

その原因は、受講生にはない。

期待そのものに無理があったり、モチベーションを高めることができなかったり、課題やメニューが不適切だったりすることが、期待通りの成果が出ない原因なのだ。

期待が適切であり、きちんとモチベーションを高め、適切な課題を設定してあれば、受講生は必ず期待に応えてくれる。

大切な事は、講師としてすべきことをきちんとし、受講生を信じて、必要な時間待つことである。
なぜ信じることが必要なのか。

理由は2つある。

まず、一つはそれがモチベーションに影響するからだ。

考えてみて欲しい。
信用してくれない講師やコーチの元で一生懸命になれるだろうか?
よっぽどモチベーションが高ければ大丈夫だろうが、たいていの場合、モチベーションはだんだん下がっていくだろう。
もう一つは、信じていなければ待てないからだ。
信じているから、安心して待てる。

待てなければ、理解やスキルを身につけるのに必要な時間を与えることができない。
自分でできた経験がなければ、やはりモチベーションは低下するだろう。
信じていなければ、できない人を叱責したくもなるだろうし、講師としての自分を省みることもなくなるだろう。
どんなに効果的な理論を知っていても、どんなに経験があっても、信じていなければ、その理論や経験を本当に活かすことはできないだろう。
教える人は信じる人でなければならない。

少なくともコーチングを基礎にした学びを行うときには、これは必須なことである。

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