教えたがり病

講師というのは、たいていが、教えたがり病と、自慢したい病に罹患していると思っている。

先生と呼ばれる状況や、教えなければ、というプレッシャー、受講生とのスキル格差などがあるので、比較的簡単に罹患し、発症する。

技術研修で、質問があるとニンマリし、受講生のプログラムに手をいれ「ほら、こうすれば動くよ。」と自慢げにやる。
重症である。

発症すると、とても気持ちよくなってしまうために、発症に気づかないこともよくあるし、そもそも、その存在自体があまり知られていない。

そして、発症を簡単にふせぐ特効薬はない。

だが、教えないで教える、を実現しようとすれば、これらの病は邪魔ものでしかない。

これらの病には、特効薬はないが、対症療法はある。

例えば、プログラムの書き方を教える研修では、受講生の書いているプログラムを見ないことで発症を防げる。
プログラムを見ずに、質問で疑問を聞き出していくのだ。
受講生が質問に答える中で、自然に考え、問題を発見してくれたりする。
そこで引き下がれば、教えすぎることはなく、病の発症を防ぐことができる。

質問は、技術研修以外にも有効な手段である。
オープンクエスチョンとクローズクエスチョンの特徴を理解し、答えをきちんと受け入れることができれば、多くの問題を質問により解決できる。

このように、直接答えを渡せないように、自分を縛るのが、対症療法として有効である。

では、治療法はないのか?

特効薬はないが、治療法はある。

一にも二にも、正しいコーチングが出来るように訓練し、受講生を信じることができるような経験を重ねることである。

運動し身体を鍛えれば風邪にかかりづらくなるように、講師として鍛えることで、発症しにくくなるだろう。

感染は避けられないこれらの病。
私も間違いなく感染している。

もうすぐ始まる新人研修において、発症させないように気を抜かずに取り組んでこよう、と思っている。

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