サスケの親戚ではない。
リスケジュール(スケジュールの組み直し)という意味で使われている言葉である。
研修においては、普通はあらかじめカリキュラムという形でやるべきことが決められている。
中には10分単位でスケジュールが決められているような研修もあるらしい。
幸いにして、私はそういう時間に厳しい研修をしたことはないのだが、そうでなくても、研修を始めるときには、やらなければならないこと、やるべきことはあらかじめ決まっている。
もともとカリキュラムが決められている研修に講師として雇われる場合もそうであるし、自分でカリキュラムを作っていく場合でも、自分で考えたカリキュラムが存在する。
そして当然の事ながら、スケジュールもだいたい決められている。
今日はこれ、明日はこれ、もしくは、午前中はこれとこれ、午後はこれとこれとこれ、という具合である。
だが、研修というのは、だいたい決められた時間通りには進みはしない。
予定より進行が早まる場合も遅くなる場合もある。
早まる原因は、用意されたカリキュラムが受講生のレベルに比べて簡単だった場合である。
遅くなる原因は、その逆だったり、前のブログで書いたようなトラブルだったりする。
だから、早くなったり遅くなったりは常にあると考えて、リスケジュールを常にしていかないとならないのが研修の講師ではないかと思う。
もし、常に時間通りに進めている、という研修があったとしたら、その研修では受講生は置いてきぼりになっていると考えて、まず間違いないだろう。
私の経験からはそれはあり得ない。
常に現在の様子を観察し、過去の経緯を抑え、先の内容を考えていないと、リスケジュールはなかなか難しいが、リスケなしに、効果的な研修の運営はない、と言っても言いすぎではないだろう。
遅れた場合には、内容を一部切り捨てなければならないこともある。
理解を待たずにスケジュールだけ優先させたら、受講生は置いてきぼりになる。
そうなったら、一部の内容を切り捨てる以上に悲惨な結果が待っているのは間違いない。
では、研修におけるリスケジュールとは、内容を一部切り捨てることになるのだろうか。
実は、そうでもない。
一部の内容を切り捨てずに、リスケジュールが出来るようになる方法があるのだ。
私の考える、唯一の方法は「想定された時間よりも早く理解してもらう方法を考えること」である。
最初に与えられたスケジュールより早く理解してもらえれば、前倒しで研修を進めることができる。
そうなれば、一時的な遅れを取り返すこともできるし、より多くのことを伝えることもできる。
理屈としては簡単だ。
具体的には次のようなことになる。
・効率的な説明を考える。
ただテキストを読むような説明では無理である。
自分の言葉で、自分で考えて、理解をしてもらいやすい考え方、説明の仕方を3つは用意し理解を促す。
・効果的な演習問題・課題を考える。
あらかじめ用意されている演習問題などが冗長もしくは難しすぎるのであれば、その冗長さ難しさを取り除いた、研ぎ澄まされた演習問題を自分で用意する。
実際のところ、言葉で語るより、課題で語る方がずっと効率がよい。
・必要なところではじっくり待つ
どんなことでも理解できていなければ先に進めない。
本当の理解があれば、先の理解も早まるから、最初の理解をあやふやにしてはいけない。
そして本当の理解のためには、時間が必要なのだ。
特に新人研修などではこのような工夫をして、カリキュラムに使う時間を圧縮し、空いたところに私独自の課題を入れるようにしている。
だいたいではあるが、これまでの実績として全体の1/3~1/2程度の時間は、私の独自の課題に充てることが出来ている。
そうなれば、少しぐらい遅れたとしても、削るのは私の課題だけですむのでリスケジュールをしても、最初から決められているカリキュラムの内容を切り捨てることもなくなる。
1月からの講師研修ではこんなことを伝えられたらいいな、と考えている。