今は講師専業で頑張っているが、講師業を始める前はフリーランスのプログラマであった。
フリーランスのプログラマになる前は、システムハウスと呼ばれたコンピュータ会社でハードウェア設計・製作、プログラマをやっていた。
講師を始めてからも技術研修を行うために、自分でプログラムを書いたり、新しいシステムの勉強をしたりと、技術から離れたことはない。
そんなことをしつつ、仕事でコンピュータを触り始めてから25年以上、仕事にする前の趣味の時代も含めれば、もう35年以上コンピュータや電子回路と付き合ってきている。
初めは、簡単な電子工作が出発点だった。
これは小学校のころから始まっている。
本を買ってきて、小さなトランスを手に入れて、発信器を作りびりびり感電するような物を作ったり、蛍光表示管(最近はあまり見なくなったが)を点灯させてみたりしたのが小学生、中学生の頃。
近くの電気屋にJR100という松下のBASICマシンが置いてあったので、そこでプログラムを書いていたのが中学生の頃。
入学祝いで半額を出してもらい(残りの半分はお年玉を貯めた貯金)、PC8801という8bitのパソコンを買って、マシン語やBASICに明け暮れていたのが高校の頃。
その頃には、簡単な8bitのコンピュータを手配線で作ったりもしていた。
会社に入ってからは、純粋なハードウェアの設計から、CPUを搭載したシステムの設計や製作、DSPのエミュレータ、ASICの設計の一部、FAXのソフトウェアなどさまざまなことを経験した。
独立してフリーランスのプログラマになってからは、組込から、業務アプリの開発から、Webアプリの開発まで、それこそ、仕事になってできるものであれば、なんでもこなしてきた。
例えば、今でこそ当たり前になった、Webを利用してのECサイトであるが、日本で最初のクレジットカード対応のECサイトも作った。
初めて、ということであれば、VBA(VisualBasic for Application、Excelなどについているあれである)の最初の研修も、Microsoftから直に依頼を受けて、各研修会社に対して実施したこともある。
私が最初にHTMLを使ってホームページを作ったころには、日本に200(!)ほどしかサイトがなかった。NCSA Mosaicが出て間もないころである。
そんなことをしていると、触れてきた言語も自然と多くなる。
Basic、各種CPUのアセンブラ、C言語、C++、Java、Pascal、Perl、PHP、VBA、JavaScript、HTML(言語としていかどうかは不明)、SQLなどなどである。
環境も、CP/M、MS-DOS、各種UNIX(Linux、FreeBSDを含む)、Windows、MacOS、ITRON、Androidなど、さまざまなものに触れてきた。
フレームワークと呼ばれるものもいろいろ触ってきた。
勉強のために、Lisp、Prolog、Forth、Smalltalk80、OS-9 なんてのも触ってきた。
これらの経験は技術研修の講師をする際には間違いなく役に立っている。
中には触れなくなって久しいものもあるが、研修などで話をしようと思うと、ふと内容が浮かんでくるのが不思議である。
中学生の頃に粗大ゴミのテレビを拾ってきて、真空管を抜いて遊んでいた経験が、40の半ばを過ぎての講師業に役立つとは、当時の私は全く考えていなかった。
スティーブジョブズも有名な演説の中で言っている。
「点と点の繋がりは予測できません。
あとで振り返って、点の繋がりに気付くのです。
今やっていることがどこかに繋がると信じてください。 」
ここまでやってきて、ほんとだなぁ、と妙に納得してしまう言葉である。