研修を実施する際に、どれだけ早く受講生を引き込めるか、というのは、研修の時間を有効に使うために重要である。
引き込めて、興味を引き出せれば、その後の言葉は有効に伝わるし、グループワークのモチベーションも高くなり、学びの効率はとても高くなる。
逆に、ひきこめなければ、学びの質は低いままである。
例えば、一日の研修で受講生を掴むのに一日かかってしまったら、有効な学びの時間はほとんどなくなってしまう。
最後まで引き込めなければどうしようもないのだが、引き込めるのであれば、出来るだけ早い方がよい。
理想は、最初に前に立って話したときに引き込んでしまうことだろう。
引き込むためには、二つの方法があると思う。
一つは、おもしろい、もしくは、おもしろいかも、と思わせることである。
そのためには、おもしろい、と思ってもらうための話術や、話の構成が必要である。
もう一つは、人として好かれ、信頼されることである。
好きな人の話は聞こうとするのは、当たり前の反応である。
だが、こちらは、どうしてもある程度は時間がかかる。
これらは、どちらかがあればよい、というものではない。
できれば両方あればよいのは、言うまでもない。
話術がうまくなるのには、どうしてもある程度の練習は必要であろう。
でも、好かれ、信頼されることは、誰でもできる。
特に、新人研修などの長期研修なら、時間はたくさんあるから、可能性は高まる。
もちろん、研修内容に対しての専門性が低いなどの場合には難しいこともあるだろうが、最低限のレベルを満たしていれば、あとは、受講生に対して真摯に接し続ければよい。
理想を言えば、開始から10分で引き込めるならそれがいい。
だが、できなくても心配はいらない、というか、しても仕方ない。
そういうときにできることは、真摯に接し続けることだけなのだ。
これは、技術論ではない。
人に接する仕事をする上での、意識の、姿勢の問題である。
だから、誰にでもできる。
相手のために、真摯に接し続けること。
これは、研修講師の経験が少ないか、今年初めて講師をする人への私からのエールである。
がんばれ、みんな。