社会人基礎力を身に付けるには

今年から、私の参加する新人社員研修に社会人基礎力の要素が取り入れられた。
私の場合は、すでに10年ほど、ヒューマンスキルの向上を目指した研修を続けているので、今さら感があるが、予備研修には参加している。

そのカリキュラムを聞いているのだが、国語のテストを解き続けるような感覚である。

確かに、これで意識はすることはできるだろう。
うまくいけば、社会人基礎力の12要素を覚えることもできるだろう。

だが、できるようになるか、というとはなはだ疑問である。
もちろん、意識することで変化することもある。
ただし、「こういうのがあるよね」というレベルの意識では、変わらないだろう。
変わるためには「変わりたい」という意識を持たなければならない。

すべての講師が勉強もせずに実施するには、こういう方法しかないかもしれない。だが、そもそもシチュエーションが違えば、答えとして用意されているものが、そぐわないことになる。
その説明について反論があったら?という質問があったらしいのだが、そういう反論は出たことがない、との回答であった。

どうも、全体を通して、テストのためのテストであり、本当に社会人基礎力というヒューマンスキルを鍛えようとしているようには思えない。
私の経験からはヒューマンスキルは、実際の状況の中での判断をし、行動し、フィードバックを受け、次の行動を考えることを繰り返すことでしか、身につけることができない。

考えて、行動し、フィードバックを受け、次の行動を考える。
つまり、PDCAサイクルを回すのだ。

社会人基礎力は、プロジェクトベースでの教育では力は身につかない、という話もあった。
ものを作り上げることだけを目的としたプロジェクトでは、そういうこともあるだろう。
だが、プロジェクトが教育目的で実施され、ファシリテーターにより進行すれば、間違いなく力はつく。
これまで、そのような事例をたくさん見てきているから、自信を持って言える。

資格試験にこだわると、本質が見えなくなる。
それをよく感じられる予備研修であった。

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