グループワークにおける講師の意図

本日も、講師研修の中で、ゲリラ的にワークショップの進め方、考え方について話をさせていただいた。

なぜか、その講師研修では、他の外部の講師の方から「ワークショップは息抜き」「アイスブレークは遊び」のような扱われ方をしていた。
ワークショップやアイスブレークの威力を知っている講師として、そのような扱われ方は不本意である。

これらは、決して息抜きや遊びではない。
ましてや「眠気覚まし」に使うなど、もったいなくて涙が出る。
ワークショップを眠気覚ましとして考えるのではなくて、研修の実施方法を工夫して眠らせないようにするのが本筋であろう。

本日は、たまたま、講師仲間の方から「ワークショップについて教えてもらいたい」というリクエストをいただいたので、少し時間をお借りして、効果の上がるワークショップやアイスブレークについてお話をさせてもらった。

アイスブレークは「氷のように固まった心を溶かす」ことが目的である。

研修においては、最初の緊張段階にある受講生の心をほぐし、講師から言葉が渡せるようにすること、受講生同士を仲良くさせて場の雰囲気をよくすること、などが直接の目的になる。

だが、単に「アイスブレークとしての活動」と言われるものをやればいいわけではない。大切な事は、なんのためにそれを行うのか、どういう効果を期待するのか、という講師側の「意図」がはっきりしていることである。
そして、その「意図」を実現するために、さまざまな工夫を行わなければならない。

アイスブレークの効果を持つ活動は、例えば、日本ファシリテーション協会のホームページなどにあるが、ここにあげられているもの以外にも、いろいろ考えられるし、ちょっとした工夫により多くのバリエーションを作ることもできる。
https://www.faj.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=27

ワークショップも同じである。

「これこれこういう効果がある」と紹介されているものでも、実際にやってみると、ワークに取り組むモチベーションが低かったり、正しい説明がなされていなかったりして、期待通りの効果を得られないことがある。
これも、講師がきちんと「意図」を持ち、最大限の効果を生むように工夫をし、言葉を選び、導入を行う必要がある。

そして、本当の学びにつなげるためには、「振り返り」ワークショップを行う必要があるだろう。
できたこと、できなかったことを振り返り、次にどうすれば良いか、という具体的なアクションを考えることが、本当の学びにつながるからだ。

ワークショップを始めて行う際には、あまり複雑なものを選ばないことをお勧めする。
複雑なものは導入も難しくなり、工夫をするにもバランスを考えなければならないことが多いからだ。

繰り返しておきたい。

ワークショップやアイスブレークは、きちんと意図を持って実施すること。
適切な導入ができるように、事前練習を必ず行うこと。
ワークショップでは、振り返りの重要性を認識すること。

これらは、グループワークにおける、最低限の心がけなのだ。

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