歯車とエンジン

私はよく研修で「組織の歯車ではなく、一人一人がエンジンになってください」という言い方をする。

ただ言われたことだけをするのではなく、一人一人が自分で考えて能動的に動くこと、という意味だ。
全員がエンジンとなったチームが、同じ方向に進んだらどれほどの力を発揮できるか、というのは恐らく見てみないと想像もできないぐらいのものだろう。

そして、チームの一人一人が能動的に動く場合に必要なのが、チームコミュニケーションである。
一人一人がチームのことを考えて積極的にコミュニケーションを取ることで、初めて一人一人がチームのエンジンになれる。
もしくは、その一人一人をチームとしてまとめるコミュニケーションを産むためのファシリテーターが必要だ。
そうでなければ、みんな勝手なことをし始め、チームとして機能しなくなる場合も出てくるだろう。
先日ファシリテータの集まりに参加することがあり、ファシリテーションを知っている人どうしでグループワークを行ったのだが、ある参加者の方が「感動した」と言われていたぐらいの話し合いができていた。

理想を言えば、チームメンバーがそれぞれファシリテーションスキルを持つことが望ましいのであるが、そうでない場合でも、ファシリテーターが存在することはとても有効であろう。
歯車ではなく一人一人がエンジンになるためには、ファシリテーションが必要であり、できれば全てのメンバーにそのファシリテーションスキルがあればいい、というのを再確認できたグループワークだった。
新入社員研修では、もちろんIT技術や考えるスキルを身につけさせることも必要なのだが、それと共に少しでもファシリテーションのスキルを身につけてもらうことを、これからも意識していきたい。

それが「歯車からエンジンへ」を実現する、大切な要素なのだから。

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