アウトプットと相互作用

グループワークはとても有効な学習方法であるというのはこれまでも何度も書いてきた。

今回は、なぜグループワークが有効なのか、について考えてみたい。

まず大切な要素が「アウトプット」である。

グループワークに限らず、多くの学習方法では「アウトプットが大切である」と言われる。
「アウトプット 学習」「アウトプット 勉強」「アウトプット 学び」などで検索すれば、多くのサイトがヒットする。

アウトプットをする際には、自分の中での整理が欠かせない。
もし、覚えているだけのものを出すと、ちょっとした質問ですぐに破綻するし、そもそも筋道を立てて話すことも難しい。
そのため、アウトプットをしようと考えると、自然と自分の中での整理が行われ、足りないところに気付き、それを補完するようになる。

もし、覚えていただけであれば、そのような整理も気づきによる補完もない。
これだけでも、アウトプットの意義はとても大きい。

アウトプットをすることで、自分の思い違いなどに気付くこともできる。

例えば、説明をしようとして行き詰まったりするだけでも、思い違いや理解不足に気付ける。
さらに他の人からのフィードバックをもらうことで、自分が正しいと考えていたことが、そうではない、ということにも気づける。
気づければ修正できるのだから、アウトプットすることの価値は高い。

次に大切なのは「相互作用」である。

前述のフィードバックというのは、他のメンバーとの相互作用である。

メンバーそれぞれがアウトプットをし、それに対してフィードバックを受けることを繰り返せば、それぞれの学習が進んでいくことになる。

フィードバック以外にも、学び会うことの楽しさを共有できる仲間の存在も大きいし、よい意味のライバル関係ができればモチベーションも上がることだろう。

このように、アウトプットと相互作用がグループワークでは重要なので、グループワークを行う際にはこれらが機能するようにしなければならない。

例えば、発言する人が決まっていたりして発言比率が大きく偏る場合には十分なアウトプットがない可能性が高く、当然ながら相互作用も機能していないことがある。
私の場合、グループワークの後に発言比率を考えて発表するなどして、発言量の偏りとその原因に気付くように仕向けたりもするが、グループワークを有効に機能させるためには必要な事だろう。

残念ながら、研修講師という仕事をしていると、私にはなかなかグループワークに参加する機会がない。
その代わり、研修の現場というアウトプットと相互作用の機会をいただいている。
これらを有効に活かし、私も多くの学びを続けていきたいと思う。

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