私は研修講師という職業をしているので、どうやら「教える」「育てる」という言葉や概念への感度が少々高くなっているようで、ネットなどを見ていてもそういうサイトに引っかかりやすくなっている。
もちろん悪いことではなく、自分自身で多くの気づきを得られるので、私の重要な情報収集源である。
最近引っかかったものも含め、いくつか私の注目している言葉を挙げてみたい。
「学び合い」
上越教育大学の西川先生が提唱しておられる、全国の小中学校で実践され始めている学習形態である。
私が実施している研修の形に非常に近い。
「反転授業」
ビデオ授業を視聴して予習した後、教室で教師から個別の指導を受けたりする。
学び合いを行う場合もある。
少し着目点が違う感じもするが、一斉授業と板書をノートに取る授業より成果が出るのは間違いないだろうと思う。
「言語活動の充実」
最近(2011年)文部科学省が指導要領の改訂を行って、言語活動の充実、というのを盛り込んだ。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
もう何年も前からやっていることなので、やっと、と思うのだが、説明だけの授業をしてきた先生方が対応するのは大変だろうと思われる。
ぜひ頑張っていただきたいと心から思う。
ちなみに、新しい指導要領には「生きる力」というサブタイトルがついている。
「コーチング」
言わずと知れた(?)、私の研修の中心となる考え方であり、その中でもスキルコーチングという考え方が大切。
ただ、本質が分かっていない人が多く、カルトと同じような扱いをされることがあるのがさみしい。
スポーツだけではなく、一般的なIT技術などのスキルを向上させるためのスキルコーチングも、ビジネスの現場や個人のモチベーション向上などで使われるメンタルコーチングも本質は変わらないのだが、技法でしか理解していないと違うものに見えてしまうようである。
「ファシリテーション」
以前、お世話になっていた研修会社で、講師をファシリテータと呼称していたことがあった。
残念ながら今はまた講師という呼び方になってしまったようであるが、私の研修には「ファシリテータ」スキルが欠かせない。
例えばヒューマンスキル系の研修では、課題とファシリテーションスキルだけで効果的な研修を進めていくことができる。
「社会人基礎力」
経済産業省が2006年から提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を表すものである。
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/
私の場合、2004年の新人研修から実践的な形でこのようなスキルを身につけられるような研修を実施してきている。
社会人基礎力であげられているようなスキルは、実践的な環境の中で判断を繰り返していかないとなかなか身につかない。
このようなスキルは、それだけを学ぶのではなくて、さまざまなチーム作業の中で実践的に学ぶのが望ましいだろう。
「私の研修」(おまけ。なんかかっこいい呼び方があるといいのだけど)
グループでさまざまな課題に取り組み、個人ワークのモチベーションを高め、コミュニケーションスキル、技術スキル、知識などを身につけていく。
学ばせるべき課題の広さをのぞけば、学び合いとほぼ同じような運用となる。
特に新入社員研修などでは、社会人基礎力や言語活動の充実なども実践的に学ぶ対象となる。
コーチング、IT技術、研修と、私がこれまで取り組んできたこと、学んできたことを組み合わせて工夫しながら実施してきたことが、方向性としても目的としても間違っていなかったのだな、と、このところ少し自信を持てるようになってきた。
これまでは受講者の方からいただくフィードバックなどが私のよりどころであったが、私の活動と同じ方向、方法の活動を見ることで、それが強化される感じである。
たいていの教育手法を見ても、理屈や手法などはたいてい理解できるし、問題点も見えてきたりする。
こうやって書くとなんだか偉そうな気がするが、決してそんなことはなく、やっと、ある程度は本質が見えてきたのかな、という感覚である。
そして、まだまだやらねば、という感覚が強くある。
私の今の課題は次のようなものだ。
・より効果的な課題、メニューの開発
・課題、メニューのストック
・実施の際の選択の幅を広げる
・対象の幅を広げる
・洗練された言葉づかい
・ファシリテーションなどの各種スキルのブラッシュアップ
未就学の子供から定年後の方。
学生、新入社員、管理職、講師、スポーツ指導者、保護者。
各種遊び、プロジェクトアドベンチャー、スポーツの指導、IT技術の習得、ヒューマンスキルの習得、講師育成、指導者育成。
私の強みは、幅広い対象に対して幅広い研修を実施していることだ。
これからも、それらすべてに対して一生懸命に取り組むことで、より本質が見えてくるだろうし、スキルも磨かれていくことだろう。
いつか、手法の紹介ではなく、本質からの展開という形で教育についてまとめてみたいと考えている。
それを書いてもよい、と自分で思えるまでは、がんばって自らのスキルを磨いていこう。
今年はまだ数日あるが、このブログは来年への抱負とでもしておこう。