少しお堅いタイトルである。
知らない人からすれば、コーチングというのは怪しいものであるだろうし、専門家でなければ学ばせることができない、と思うのも当然であろう。
そういう視点からすれば、私がIT関係の専門家であるからIT技術を学ばせるというのは、専門家であるから当たり前だと思われる。
しかし、本当にそうなのだろうか?
私が研修を行って学ばせることができるのは「専門家であるから」だけなのであろうか?
以前に、私が技術研修を行った際に「私はその技術をよく知らない。」と宣言して始めたことがある。
その後に続けた言葉が「でも、教える専門家です。」であった。
実際には、全く知らないわけではないが、その道何十年というベテランでないという程度だ。
少なくとも「見本」となるようなスーパー技術者ではない。
だが、その研修の感想が「これまでの研修とは全く違う手ごたえに驚いた」なのだ。
もちろん「よく知らない」と宣言しているわけであるから、細かい技術を伝えることはしていない。
「それは知らない」という言い方も何度も使った。
しかし、上記の感想である。
なぜなのだろうか。
一つは、教える内容の本質を理解していること、である。
それにより学ばせなければいけない内容が分かる。
もう一つは、教え方を知っている、からである。
考えさせて、理解させる方法を知っているからである。
そして、学ばせる方法として一番有効なのが、私が知っている限りコーチングの手法なのである。
一般的な視点からは「コーチングで学ばせる」というのはかなり嘘くさいものであろう。
なんせ基本が「教えないで教える」なのだ。
「教えないで学ばせる」と言い換えると分かりやすいかもしれないが、それがコーチングの技術である。
人が育つ基本はどのような場合でも同じである。
自ら考えて、試してまた考えること。
これしかない。
そして、これだけがきちんと分かっていれば、さまざまな面で応用が利く。
非常に普遍的な手法で、適用範囲は驚くほど広い。
私が手がけている研修の内容は、おそらく一般的な講師よりもかなり広いだろう。
IT技術研修でプログラムの書き方を教えていたり、コミュニケーションを伝えていたり、チームビルディングの仕方を伝えていたりする。コミュニケーションだけとっても、伝え方、聴き方、質問の仕方など幅が広い。
同じ手法でラグビーを子供に教えることも、サッカーを教える事もできる。
そして、それぞれの研修において、おしなべて高い評価をいただいている。
これができるのは、私が「本質を理解する」ことに努め、「育てるための普遍的な手法」を知っているからに他ならない。
今、講師に講師スキルを伝える研修を企画している。
短時間のセミナーの形をとろうと思っているので、なかなか伝えきれないものはあるだろうが、私の持つ講師スキルを公開していこうと思っている。