だいぶ無理な研修

C++言語を2日間で初心者を相手に、それも1日目と2日目の間が一ヶ月空いている状態で研修する、というかなり条件の厳しい研修を実施してきた。

そもそも初心者がプログラミング言語を2日間で学ぶ、というのに無理がある。
間が一ヶ月空くことで、モチベーションの維持が難しい。
C言語ではなく、C++言語というところも、オブジェクト指向の関係があるので、難しさに輪をかけている。

最初の情報では、受講する方は「C言語は知っている」という前提で、という話であったが、いざ現場でヒアリングをしてみると、ほぼ初心者の方であった。

こんな状態で実施した研修だが、結果から言うとだいぶ満足していただけたようだった。

どんな設計をしたか、というと、次のような感じである。

1日目の目的:
プログラムを自主的に学び始められること
自主的な学習のためのモチベーションを残すこと

手段:
プログラムの基本的な要素を「日本語で」理解してもらう。
必要最小限の情報に絞り、それを納得してもらうことで、プログラミングを始める際の敷居を低くする。
グループワークを取り入れ、楽しく学べるようにする。
要素的に「クラスの意味」など重要なところは手を抜かない。

2日目の目的:
C++言語を学ぶ際に、引っかかりやすいところを理解すること
続けるモチベーションを残すこと。

手段:
配列や関数など、1日目で手を出せなかったところをポイントを絞って伝える。
クラスの設計、インスタンス、ポインタなど概念が重要なところは分かりやすく伝える。
ワークショップを有効に使う。

両日共に自習の時間は用意したが、初期の躓きを取り除くことが目的で、そのなかで習熟するのは難しいと最初から考えていた。
つまり、研修外の時間を「自主学習」に割り当てるつもりで作ったのである。

具体的なカリキュラムはちょっと分かりづらいと思うので、考え方のみを書いてみたが、受講生の方のモチベーションとコミュニケーションスキルに助けられ、私の想定していた以上の効果があったようだ。

さすがに全員とはいかなかったが、多くの方が、1日目終了後も自主的に学習を続けていてくれたし、グループワークにも積極的に参加し、多くの学びと気づきを得ていただけた。

研修をご紹介いただいたクライアント様の担当者が、受講生の様子をご覧になって「こんなのは始めて見た」と言われていたが、別の意味で、私もこのような形の研修は初めてだったので、このようなモチベーションが続くんだ、と驚きでもあった。

元から意識の高い受講生の方であったのは間違いない。
それにだいぶ助けられたのも間違いない。

だが、私の研修が少しのきっかけになり、モチベーションを邪魔はしなかったようだ、とも思える。

実は一ヶ月後にあった2日目は、行くまでカリキュラムを確定しきれなかった。
一ヶ月の間に何がどうなったか、行ってみなければ分からなかったからだ。
だから、不安で不安で仕方なかった。

結果的に現場で判断し、カリキュラムを考えながら1日を過ごしたのだが、受講生の方、クライアントの方からお話をうかがっても、それなりに役に立てたようである。

だから、終わったらほんとにほっとした。

そして、ほっとしながらこのブログを書いている私がいる。

受講生に助けられて無事に終われて、本当によかった。
受講生とコーチングにありがとう、である。

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