講師向け、社会人基礎力の対策講座

経産省が「社会人基礎力」という名前で12のスキルを「社会人」に必要なものだと定義している。

私がお世話になっている研修会社でも、今年からこの「社会人基礎力」に関する研修を取り入れることになった。

実のところ、私はどのようなカリキュラムであっても、社会人基礎力に含まれる要素を実践的なグループワークの中から身につけてもらうようなことを、10年続けてきているので、目新しいことはない。

新人研修物語(http://www.technosense.co.jp/RookieTraining.pdf)」を見てもらえればわかるように、単なる知識とかシミュレーションには留まらず、これらのスキルが実際に身についていく。
もちろん、皆が同じような人間になるわけではなく、それぞれの個性を活かしながら、自分に必要なスキルを身につけていってくれる。

だが、初めて講師をする人にとっては、このような研修でのコメントはけっこう大変だろうと思われる。
そこで、講師仲間のために、急遽、対策講座を開いたのであるが、そこで心がけたのは、言葉に対するイメージを豊かにしておくことであった。
徹底したグループワークによって、他の人の力も借りながら、自分の中の言葉のイメージを明確にしていくための作業をしてもらった。

例えば、12のスキルの中に「主体性」があるが、主体性とは何か、どんなシーンで発揮されるスキルか、他のスキルとどのような関係にあるのか、など、その言葉に対するイメージを豊かにし明確にしておくことで、受講生の意見に対してのコメントがしやすくなるはずである。

ヒューマンスキルを本当に学ばせようと思ったら、画一的な教え方はできない。

なぜなら、人によって情況によって、その時に必要なことも複雑に変わっていくからである。
毎回きちんと情況を見て判断することが、ヒューマンスキルの習得には欠かせず、講師の側にも臨機応変の対応が求められていく。

だが、臨機応変でも、軸が毎回変わってしまってはだめである。
きちんと芯の通った、その人の信念が感じられるような、ぶれのない対応が求められる。
それができるようになるためには、講師の中に言葉に対して明確なイメージがなければならない。

これまで、ヒューマンスキル研修におけるコメントなどについては、自然とやってしまっていた。

だが、それをスキルとして人に伝える事を考えた際に、言葉に対するイメージを豊かにしはっきりさせる、という、私の中でのぼんやりとしたイメージを明確に言葉にすることができた。

これは、私にとっては大きな成果であり、これからの研修にも役に立つに違いない。

研修でもっとも学べるのは講師である。

これを再認識することができた、対策講座の講師経験であった。

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