期待をしていなかったが・・・

研修の最後に可能な限りアンケートを書いていただくようにしているのだが、そこによく書いていただける感想がある。

「想像していた講習内容と違った(良い意味で)」
「想像より楽しく受けることができた」
「最初は堅苦しい講座かと思いましたが、実際受けてみたら楽しい講座でした」
「想像していたような授業ではなかったので、リラックスしながら受けることができました」

などである。

つまり、みんな研修に最初から期待していないのだ。
「きっとまたつまらないんだろうな」と思いつつ研修に参加しているのである。
モチベーションもなにもあったものではない。

新人研修だけは特別で、社会人になる不安と期待で最初からモチベーションは高いのであるが、それ以外の研修ではおおむねこのような具合である。

「想像していた・・」方々は、これまで受けてきた研修で、きっと「つまらない」思いをしてきたのだろう。

一日中座って話を聞かされていた。
作業をやらされたが、研修を受けても何も変わらない。

つまらない研修の形もさまざまであろうが、「つまらない」という点に関しては同じなのだろう。
そのせいもあって、おおかたの研修では、0またはマイナスのモチベーションを持ち上げるところから始まる。

まぁ、そのような期待されないつまらない研修が多いので、私の研修が「楽しくてためになる」と言って、お呼びいただけるのだろうから、つまらない研修をどんどんやっていただいた方が、私の商売からみればうれしいことではある。

だが「研修は楽しくないものである」という意識を植え付けていくような研修の存在は、教育業界全体にとってはマイナスであるに違いない。

学ぶことは、本質的な楽しさにつながるはずなのである。
きちんと学んでいただく事ができれば、つまらない研修はないのだと思うが・・・

さて、問題は、私の研修が「期待して受けに来られるようになった場合」である。

すでに、「長谷川さんの研修は楽しいから、私も参加します」と言っていただける企業の担当者もおられるので、少しずつそのような感じになってきている。
だが、期待してこられたときに「やはり来て良かった」と思っていただくためには、より充実した内容にしなければならないだろう。

「学べてなんぼ、できるようになってなんぼ、変化があってなんぼ」の研修講師としては、期待して参加してくださった方に、期待以上の成果を持って帰っていただきたい。

何も期待してきていない人に「良かった」と思っていただくためには、少し良ければいい。
だが、期待してきてくれた人に「良かった」と思っていただくには、その期待を上回る研修を作れなければならない。
つまり、よい研修ができ、リピートしてくれるところが増えるにつれ、より質を求められることになるのだ。

「期待してきたのに・・・」とはなってはいけない。

同じ事を辛抱強く繰り返す継続も大切である。
だが、継続しながら質を高める努力も必要である。

先日、ホームページに口コミ掲示板を設置した。
次回の研修から、口コミ掲示板の案内のチラシを、研修会場で配布する予定である。

これまでの成果から考えて、それほどひどいことにはならないだろうと踏んではいるのだが、正直びくびくものである。
受講者からの生の声をノーチェックで公開している研修会社は、それほど多くはないだろう。
少なくとも私は知らない。
なぜなら、100%良いと言っていただけるような研修はなかなか難しいからだろう。

私も「いい研修だと聞いて参加したのだが・・・」などと書き込まれないように、心して取り組み続けて行きたいと思う。
結果的にだめなときはあるかもしれないが、少なくとも準備が原因でだめだった、というのはあってはならない。

口コミ掲示板の設置は、そのような私自身へのプレッシャーでもある。

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