育てる研修の形

研修といえば、講師が話し、受講生がノートを書いて一日が終わる、というイメージが強いのではないだろうか。

そして、時々質問があり、講師が回答する。

実習が含まれる研修も、最近では多い。演習問題が時間を決めて出され、時間内にできなければ解答が配られて説明がなされる。ワークショップが実施されることもあるが、時間は例えば三分など短い。

このような研修では、本来の研修の道具の力を発揮できていない。

講師が話すこと。
これは必要である。
だが、長く話しすぎてはいないか?
3時間知らないことを話されたら、それを理解しながら覚えることは、ほぼ不可能だろう。
少なくとも私には無理である。

演習問題は、自分で解けて初めて意味を持つ。特に時間内で終わらない人にとってはそうである。
解答を配ることは、やり方にもよるが、考える機会とモチベーションを奪ってしまうに等しい。

ワークショップの3分でできたのは自己紹介だけだった、なんて笑い話もあるが、実際にどこまで話し合いができて、そこから何かを得られたか、が、重要である。

気づきを得て、学びの道具として使うワークショップには、やはり必要な時間がある。

考えさせて育てる研修には、これらの配慮が欠かせない。
それがないものにも、有効な研修はもちろんあるだろうが、育てる研修にはなっていない場合が多いのではないだろうか。

講師が長く話さないためには、的確に話をする必要があり、その準備もスキルも欠かせない。

演習問題がなかなかできない人を待つのには覚悟がいる。解答を配って、できたことにしてしまった方が楽である。

本当のワークショップからはさまざまなものが出てくる。何が出てくるか分からないものに対して、きちんと対応するためには、講師にも幅と深みが必要である。

さて、これまでのあなたの見た、受けた研修は、人を育てる研修だっただろうか?

考える力を育てる研修だっただろうか?

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