もしあなたが「自転車の乗り方を教えてもらいたい」という依頼を受けたら、どのように教えるだろうか・・・・。
ここのところ、ブログの更新もメールマガジンの発行も少し行っていなかった。この期間は多くの人に会い、自分自身について多くを考え分析し、これからの行動について考えていた。
その結果、出た結論は「私は、職人になりたい」であった。
もちろん自営業者として、営業も経営もしなければいけない。
だが、求められるから、商売になるから、といって、自分がよくないと思っているものを売ることは、私の心を売り渡すことになってしまいそうな気がする。
志、という大層な言葉を持ち出すほどではないが、私のしたいことは、人を育てる文化を企業や社会に根付かせることであり、実際に育てることである。
自転車の乗り方を教える時に「まずハンドルを握って、サドルに腰掛けてください。ペダルに足を乗せて体重をかけてペダルを回します。前に進みますからバランスをとってください。転ばないように気をつけてくださいね。ふらふらするようだったら、少し前を見てみましょう。肩にも力を入れてはだめです。でも、もしダメでも大丈夫です。時間が来るまでは後ろで支えますから。」とはやりたくない。
ここには、気づきを生もう、成功体験を通してより大きな成長を引き出そう、という発想が見られないし、何より乗れるようになるまでに時間がかかるし、乗れるようにならないかもしれない。
私のやり方はこうだ。
ペダルを外した自転車を用意する。
またがって、足でこいで走り回る。コースを決めてタイムトライアルでもいい。
スムーズに走り回れるようになったら、ペダルをつける。
ペダルの回し方がぎこちないようだったら、スタンドを立ててペダルの回し方だけ練習するのも良い。
一つ一つができるようになれば、あとは放っておいても勝手に乗れるようになってくれる。
自転車に乗るという技術を要素に分解し、要素ごとに効率的に訓練する、という考え方である。
ビジネス上の研修でも前者のように「乗り方を説明」して終わるものは多い。
そういう研修は短い。
自転車の例でいえば、10分もあれば終われるだろう。
だが、決してその時間で乗れるようにはならない。
私の方法では、10分では終わらない。
早くて数十分、普通は1~2時間、場合によっては半日ぐらいはかかるだろう。
だが、できるようになる。
私の提供し続けたいのは、そういう「できるようになる」研修であり、私自身は、より効率的に学ばせる技術、それを磨き続ける職人になりたい。
まだそよ風ではあるが追い風は吹いていると感じる。
身につけたいスキルはあるのに、学べる場がない、という声を、特にヒューマンスキルが関係する分野でよく聞く。
例えば、プロジェクトマネージャのコミュニケーションスキルや、チームビルディングスキルについてなどである。
もちろんそういう声があれば、対応する研修があるのだが、多くが「乗り方の説明」だけで終わっている。訓練まで含まないものがほとんどなのだ。
だが、海外ではそのような研修が多くなされているし、日本の大手企業でも実施されている例もある。
「できるようになるには時間がかかる」
このことさえ理解してもらえれば、私の実施する研修が受け入れてもらえることも増えるだろう。
費用の面でも短い研修を、というリクエストがあるのもわかるが、それについてもできるだけの対応を考えたい。
最先端の教育理論に基づいた実践的に学べる研修を、誰でも受けられるリーズナブルな価格で、というのが今年の私のテーマである。