講師をするというのは、いろいろ不安なものである。
10年ほど講師をしていても、いまだに開始前の不安は尽きない。
だが、長く続けていると、これだけ守っていれば何とかなるのではないか、というポイントも見えてくるものである。
そのポイントを簡単にまとめてみたい。
主役は受講生
研修には多くの関係者がいる。
研修を企画した会社や受講生が所属する会社がある場合もある。
だが、どんな研修でも、受講生が主役である。
どんなに練った研修があっても、受講生が求めているものと違えば、それはよい研修ではない。
講師が主役になって、教えてやろう、などと考えたら、多くの研修は失敗するだろう。
欲張らない
受講生の学べる限界を超えて詰め込むことはできない。
理解していないことを、次の学びの礎にすることはできない。
じかんの限られた研修では、ついついいろんなことをやりたくなる。
でも、欲張ってはすべてを失う。
目的を持ち、理解を確かめ、着実に進むことである。
考えさせる
一日中、講師が話す日がある。
おそらく、講師の終わったときの、やり切った感は大きいだろう。
だが、それは自己満足にすぎない。
一日、話した内容のうち、受講生の中に残っているのはどれだけあるのか。
おそらく、びっくりするほど少ないことだろう。
一日を有効に使うためには、講師が話すのではなく、受講生に考えさせて、理解させなければいけない。
考えさせなければ、学ぶこともないだろう。
あらかじめ決められたカリキュラムがあったりして、思うに任せないときもある。
だが、この三点をわすれずに、必要ならば、カリキュラムを変えることも考えてもよいだろう。
心配ではあるだろう。
でも、上の三点を忘れなければ、受講生は必ずついて来てくれる。
大切なのは、最初に決めたカリキュラムではなく、現場の人であることを忘れてはならない。