私の講師の仕事では、今のところ、出資元が助成金や補助金というものが多い。
これは悲しいことであるが、助成金があるのにわざわざ自前で費用を負担しない企業も多く、助成金がじゃぶじゃぶあるうちは、足を抜けないかもしれない。
質がいいから、ではなく、安いから、という理由で存在する研修しかできないことは、講師としては歯がゆいし悔しい。
受講する側から見ても、助成金や補助金での研修では「とりあえず参加してみる」というような感じの受講者や、企業が多いような気がする。
そして、良い研修、良い講師に当たれば「ラッキー」である。
つまり、最初から期待していないのだ。
質が伴わなくても、助成金があることで仕事をする、という状況では、助成金で守られ競争力を失っている稲作農家と変わらない。
だが、そのような研修の講師を行っていると「思っていたのと違った(良い意味で)」や「参加して良かった」という声をいただくことがある。
研修として期待されていないのは悲しいが、参加して良かったと思ってもらえる研修ができたのは良かったと思える。
本当は研修に期待して参加していただけて、「もっとこんなのはできないのか!」ぐらい言われる方がいいのであろうが、現状ではそうでない研修が多いのは、業界全体として良い研修を提供できていないからだろうと思う。
助成金などなくても受講したいと言ってもらえるように、助成金で甘やかされることなく努力を続けなければならない。
「苦しかったけど楽しかった。」
これが私の研修における、最高の褒め言葉だと思っている。
この言葉をいつまでもいただけるように頑張りたい。