忘れることと慣れること

子供がやっているプレステ3のゲームをやってみた。

少し前の「デモンズソウル」というゲームで、久しぶりにやったのだが結構楽しめた。
このゲームは「アクションロールプレイングゲーム」と呼ばれるジャンルのもので、けっこうアクション要素が多く含まれている。
私は、以前はかなりゲームをやっており、腕のいいゲーマーではないが、アクションゲームもそれなりにやりこんだものがいくつかある。
なので、久しぶりのアクションゲームも何とかなるかと思っていたが、アクション要素に対する反応が、以前とは比べものにならないほど落ちているのに気付かされた。
回避するための要素があるので、ゲームの進行はできるのだが、衰えを感じさせられた。

で、ふと思い立って、さらに昔のグランツーリスモ4というプレステ2のゲームを引っ張り出してやってみた。

ドライブシミュレータに分類されるゲームであり、実車に近い操作感を持ち、このゲームでうまくなれば、実車の運転もうまくなる、というゲームである。
これは、当時はかなりやりこみ、鈴鹿サーキットなどはコースを細かく覚えていたはずなのであるが、久しぶりにやってみると、コースは忘れている、操作の細かな感覚も忘れている、など、思い出すのに少々時間がかかった。

あれだけやっていれば忘れていないだろう、と思っていたのだが、そうではないというのがよく分かった。

もちろん、しばらく触れていればいろんな記憶がよみがえってくるのだが、人間は続けていなければ忘れるものなのだ。

もう一つ、昔のゲームをやってみて気がついたことがある。

画面がとても荒いのだ。

以前は「きれいだなぁ」と思って見ていたゲーム画面であるが、プレステ3のハイビジョンの美しい画面を見慣れた後だと、だめである。
ハイビジョンの画面に慣れてしまったのだ。

ハイビジョンを見てしまうと、DVDも荒く見える。
プレステ3のゲームに慣れてしまうと、プレステ2のゲームは荒く見える。

よいものを使ってしまうと、見てしまうと、それに慣れ、戻れなくなる。
そんなことを考えてしまった。

人は、新しいことに慣れ、いろんな事を忘れる。

当たり前の事だが、あらためて、それを意識した。

忘れてはいけないことも、忘れない方がいいことも、たくさんある。
忘れてもいいことも、慣れなければいけないことも、たくさんある。
そして、忘れたくないけど忘れてしまうことも、たくさんある。

久しぶりにゲームをやってみてそんなことを思った。

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