Archive for 2018年1月29日

Takanori

講師のスキルはリーダーのスキル、人との接し方のスキル

先のブログで社内講師を育てる仕事をしたい、と書いた。

ここでは、講師に必要とされるスキルについて書く。
これは、社内講師を育てる際に学んでもらうことになる項目でもある。

まず思いつくまま、講師として必要なスキルをあげていこう。

・観察力。
・課題発見、解決力。
・カリキュラム作成能力。
・話す力。
・受け容れる力。
・律する力。

次に講師として知らなければならない知識や意識についてあげてみよう。

・サーバントリーダーシップのありかた。
・学びに関する心理学的な知識。
・モチベーションに関する知識。

このように書くととてもシンプルであるが、例として「話す力」の詳細をあげてみよう。

・大きな声を出す力。
・よい発音をする力。
・話す速さや声の大きさなどをコントロールする力。
・相手の声を聴く力。
・相手の言葉で話す力。
・相手にどのように受け止められるかを想像する力。
・自分の話していることを、自分で聴く力。
・リアルタイムで話を構成する力。

などとなる。

それぞれの項目も、人によっては身につけようと思えばそれなりに時間がかかったり、意識の変換が必要になるものばかりであろう。
特に上記では一行で書いてある「サーバントリーダーシップのありかた」については、含まれる内容はとても多く、意識の変革が必要になる人も多いに違いない。
だが、これこそが社内講師育成の一つの肝であり、それ以外は、サーバントリーダーシップを研修に活かす際に必要になる要素と言ってもあながち間違いではない。

これまでの経験上、既にもっている既成概念を覆して新しい概念を受け容れてもらうことは難しいことが多い。
だが、それをしなければ身につけられないことがあるのも、また間違いない。

社内講師育成と言うと「技術者を講師にするつもりはない」というリアクションをよくもらうのだが、「技術者をリーダーにするつもりはない」というところはないだろう。

よい講師はサーバントリーダーであり、サーバントリーダーシップを学ぶことでよい講師となり、よいリーダーになれるのだ。
だから「技術者を講師にすること」は「技術者をよいリーダーにすること」につながる。

マネージャ研修を受けても成果が出ない、というのは、知識は与えられても、必要な意識の変革やスキルの定着ができなかったからだろう。
だから、実践を含みつつ、長い期間をかけて実施し、意識の変革やスキルの定着を図る社内講師育成というのは、最も理想に近いところにあるリーダーシップ研修であるのだ。

これまで講師育成をしてきて「人生が確実に変わった」「今までの部下に謝って回っている」「これまで何をしていたんだろう」「家族との接し方が変わった」「人の話を聴けるようになった」などの声をいただいてきた。多くは社会人経験も長い40代、50代の方の声である。

講師育成ではあるが、講師だけには留まらない「人との関わり方に関するライフスキル」を学ぶものとしてとらえてもらっても、間違いではないだろう。

本当の「講師スキル」は「上手に話すスキル」でも「プレゼンテーションのスキル」でもない。
そのことを伝えていきたい。

Takanori

社内講師育成と支援

いずれは社内講師の育成を私の主たる業務にしていきたいと考えている。

これまでも何度か書いているが、各種の教育を社内講師により実施することは以下のようなメリットがある。

・講師スキルを学ぶことでマネージャに必要なスキルを身につけられる。
・社内で最も適したスキルをカリキュラム化できる。
・人を育てる文化が社内にできる。
・講師スキル以外にも内容に関するスキルも向上する。

このようなメリットがある社内講師を育てるような研修は、なくはないがそれほど多く実施されていない。
あったとしても、短期間で話し方教室のようなことをしたり、コーチングの考え方を口頭で伝えるようなものであることが多い。
理由はいくつかあるだろうが、一つは研修講師のスキルというものを本来の「人の育成」と絡めてスキル化、メニュー化できているところが多くないこと、もう一つは講師スキルを流出させることが研修会社の首を絞めるという意識があることが、大きな理由であると思われる。

これらの点は、私にとっては問題にはならない。

過去の講師育成やヒューマンスキル研修、独自の研究などに基づき、研修講師を行うために必要なスキルの具体化とそれを学ぶためのカリキュラムは既にあるし、その成果も実証済みである。
また、私の活動目的が「日本に人を育てる文化を普及させること」であるため、私にとって社内講師として自立することは望ましいことであり、社内講師育成を妨げる要因にはならない。

問題があるとすれば、講師スキルを学ぶことに時間がかかることである。

たとえ1ヶ月や2ヶ月の研修を行ったとしても、講師に必要とされるスキルを完全に身につけることは難しい。
というよりも、もっと長期の研修であったとしても、研修だけで身につけることそのものが難しいだろう。
実地でのさまざまな経験が実践的なスキルの習得には欠かせないからだ。

そこで、次のようなプランを考えた。

まず、新人研修などに先立ち、集合研修として講師スキル研修を行う。

研修期間は最低で2週間、できれば2ヶ月程度が望ましいが、費用と人員確保の観点で調整することになるだろう。

そして、学んだスキルを元に研修を設計し、実施する。
研修の設計に際しては私が支援することもできる。

また、実施に関しては週に一度程度会場を巡回し、現場の観察とアドバイスを提示して研修実施の円滑化と講師スキルの向上を図る。

もちろん、日々の研修における質問の回答を行い、緊急性のある問題があれば優先的に対処する。

求めがあれば、研修のない週末などを利用しての問題解決のためのミーティングも開催する。

いくつかの点で特徴的な研修、人材育成となることだろう。

まず一つは、最初の講師スキルの伝達研修が「形だけ」にはならないことである。
そんなことをすれば、その後の研修の巡回で必ずぼろが出る。
そのため、伝達研修では「本当に役立つ講師スキルを身につける」ことが保証される。

次に、学んだ事を実践で試しながら比較的長期間かけてスキル化できることである。
1日、2日の研修ではスキル化、定着化は難しいが、長期間をかけることでそれが可能になる。
研修を受けたけど変わらない、という状況の打破につながるだろう。

そして、提供できる数が少ないことも特徴に挙げられるだろう。
週に一度周回し、その中で問題点を把握する観察力、問題が何かを見極める分析力がなければならない。
1会場で20人だとしても100人ほどの受講生の特徴を把握し、アドバイスをするためにはそれなりの講師力が必要になる。
これらができる講師を多く集めるのは、少なくとも現時点では難しい。
そのため、提供できる数は限られてしまうのだ。

・研修会社の命綱とも言える研修スキルの流出。
・明確な成果が出ることを求める研修。
・研修の成果に関しての徹底したフォローアップ。
・カリキュラムではなく高度な講師スキルに依存する。
・数ではなく、徹底して質にこだわる学びの形。

これらは現在よくある研修とは逆の方向を向いている。
だから、多くの研修会社では実現することが難しい形だろう。

だが、本当の人材育成においては最も効率的な方法であると考えている。

「プロの講師に頼まないと、教え方に不足が出るのではないか」という不安があるかもしれないが、特にICT系の新人研修などにおいては、技術者が育て方を学ばずに講師として研修を実施していることが多い現状を考えると、教え方を少しでも学んでから講師をするというほうがよい場合の方が多いだろう。

今年はこのような社内講師を育てる仕組みを立ち上げることが目標である。