Archive for 2014年2月7日

Takanori

時間の使い方

講師の仕事をしていると、時間の使い方について考えさせられることが多い。

もちろん、開発の仕事などでも時間の管理は重要なことなのだが、講師の仕事をしていると10分単位、5分単位の時間の調整が必要になることが多いので、よりシビアにならざるを得ない。

2月の半ばから2つの会場を並行して担当することになり、どのように運用しようかを考えているのだが、その過程で自分がどのように課題の実施時間を運用しているのかをあらためて考える必要が出てきた。

今回の講師育成研修では、ほぼグループワークのみで研修を実施しているのだが、そのグループワークの時間の設定方法が問題になるのだ。
普段は少し短めの時間を設定し、足りなければ延長する、という方法を採っている。
これは、時間によるプレッシャーを有効に活用するためなのだが、今回、2会場でスケジュールを管理する必要から「足りなければ延長する」と安易に考えられなくなった。

振り返ると「延長すればいいや」という時間管理に対する意識の薄さが感じられた。

最終的には調整できるとは思うのだが、それでももう少し時間の管理に気を使わなければならない。

今回の2月からの2会場並行運用は一ヶ月強の期間続く。

いい機会だと捉え、より精度の高い時間設定ができるように挑戦してみたい。

恐らく、最初の1週間を乗り切れれば運用も軌道に乗ることだろう。

それまで少し足掻いてみたい。

Takanori

コミュニケーションシートは命綱

私の研修ではコミュニケーションシートというものを使っている。

アイデアは、今年も新入社員研修でお世話になる研修会社からいただいたものであるが、運用に関してはかなり独自のノウハウを含めて行っているので、同じ研修会社の研修に参加していても、他の講師の方とはだいぶ使い方が違っているようである。

コミュニケーションシートというのは、一般的に「日報」と呼ばれているものとほぼ同じ扱いをされていることが多く、実施した内容の報告と、質問が書かれていることが多いようであるが、それではもったいない。

私の会場のコミュニケーションシートには、実施した内容が書かれることは少なく、全ての内容を記録してあるものはほとんどない。
実際には、何をしたか、については講師の私がよく知っているので、私が読むものにその情報は不要である。

また、質問もほとんど書かれない。
それは、自分で考えて自分で答を見つける、というのを徹底することと、自分で見つけることの楽しさに早くから気付いてもらえるようにするからである。

それでは何が書かれるのだろうか。

書かれる内容は、その日の研修で悩んだこと、気付いたこと、次にどうしたいか、などという非常に個人的な内容である。

私はその内容について翌日の朝にコメントをし、不安を取り除き、悩みを解決するためのヒントや方向性を提示し、良いことがあればほめることになる。
もちろん、なにか訂正したいことがあれば、直接的ではないにしろ、何らかのアドバイスをすることもある。

新入社員研修などでは、研修会社、所属会社にも回るので、公的な文書の性格を持つものであるのだが、所属会社の担当者には、細かい内容については目をつむってください、とお願いし、講師の私との、文字通りコミュニケーションを取るために利用している。
より密度の高いコミュニケーションを行うためには、そこに本音が出てきてくれなければ困るので、所属会社の担当者のあまり細かいチェックがあっては困るのだ。

グループワーク主体で研修を運営し、自発的な学習により進めていくと、どんどんグループワークの時間が長くなっていく。
特にある程度長期の研修であれば、グループワークの効率も上がっていくので、それを有効に活用するために、グループワークにかける時間がさらに長くなっていく。
そして、1週間もすれば、ほぼグループワークだけで運用できるようになる。

そうなると、コミュニケーションシートの対応が講座運営の主体となる。

コミュニケーションシートの内容を初日から重視し、そこに生の声が書かれるように誘導していくのは、コミュニケーションが講座運営の主役になることが予測されるからである。
そして、コミュニケーションシートがなければ、講座の維持自体がおぼつかない、という状態にまでなっていく。

なので、現実問題として、忙しくなったときであっても、例えばコミュニケーションシートの対応をサブ講師など、私以外の人にゆだねるのはとても怖い。
対応をゆだねてしまうことは、私にとっては、私が講座の運営を放棄することとほぼ同じ意味なのだ。

たかがコミュニケーションシート、されどコミュニケーションシート、なのである。

これが、私自身がコミュニケーションシートの対応を行うことにこだわり、対応については毎日1時間から2時間考える理由である。

Takanori

2月の2つの会場

2月の2週目あたりから、同時に2つの会場を担当することになりそうである。

お手伝いをしてくれる講師の方と二人で2会場を切り盛りすることになる。

お手伝いをしてくださる方はとても優秀なのだが、今年から合流し、去年の経験がないため、両会場とも私がメイン講師という立場で研修を進めることになった。

しかし、これまでいろいろな研修を実施してきたが、同時に2会場を担当するというのは初めての経験である。
同じような内容を1日に2回担当する、ぐらいなら記録をきちんと付けることである程度の対応は可能だが、一人の講師が、1日中、2会場を並行して担当、というのは、常識的には「無理」と言われるだろう。

だが、人的資源や状況から考えるに、やむを得ないことも理解できるので、挑戦してみることにした。

現状では、1つの会場は先行して実施しており、これにもう一つの会場が加わることになる。

幸いなことに、先行した会場では自主的に学ぶ意識はできあがり、講師の私の関与は最小限ですむようになっている。
その関与せずにすむ時間を、新規に追加される会場の運営に振り向けて運用することになるだろう。

先行した会場では、観察が若干おろそかになるが、すでに3週間ほど経ち、張り付いての観察はなくても大丈夫なぐらいになっている。

だが、グループワークを軸にした自主的な学習により進めているとはいえ、観察を行って問題点を把握したり、発表内容を見てコメントをしたり、開始時のインストラクションを適切に行ったりなどは不可欠である。

そうなると、徹底したスケジュール管理と、作業進行に対する見積もりの正確度の向上が必須になるだろう。
また、より短時間で精度の高い観察を行う必要も出てくるに違いない。

前提条件からして違う2会場のカリキュラムを考えつつ、それを組み合わせてタイムスケジュールを作り、現場ではそれをこなしつつ微調整を行う、という日々が続くことになる。
いろいろシミュレーションしているのだが、かなりしんどいことになるのは間違いなさそうである。

幸いなことに今のところの予定では、そのような状態は3週間ほどで終わることになっている。
その3週間、新しい管理手法を確立することも含めて、積極的に取り組んでいきたい。

テレビドラマの「仁」では「神様は乗り越えられる試練しか与えない」と言っていた。
きっとこれも乗り越えられる試練の1つなのだろう。

ただ、コミュニケーションシートの対応と、最後の締めだけは同時に行うことは不可能である。
そこをのぞいては支障がないように2つの会場を同時に運営し、期待される以上の成果を上げる、という難題に取り組む予定の2月である。

Takanori

公平な目

私がコーチングに基づいた研修を実施しているのは、ブログを読んでくださっている方はご存じだと思うが、コーチングに必要なものの一つに「公平な目」があると考えている。

もちろん、複数人相手の研修やスポーツの練習などでは、特定の人をえこひいきしたり攻撃したりしてはいけないのはあたりまえのことで、それは今さら話すまでもないことだろう。

ここでいう「公平な目」というのはそれとはまた違う話である。

コーチングでは対象者との間にラポールという「信頼関係」を構築するしなければならない。
このラポールがあるかどうかによって、研修の成果は大きく変わってくる。
ラポールを短時間で構築することができれば、早い段階でコーチングを活かした学習を始められるので、研修の実施にはとても有効である。

そのため、私の場合、できれば初日の午前中にある程度の信頼関係を作ってしまうことを目指している。

2時間などの短い研修も行っているので、このあたりの信頼関係を築く手法はとても重要である。

また、全てではないのだが、研修では受講生に対する評価を求められる場合がある。

新人研修などでは、配属に関する重要な情報として扱われることも珍しくはない。

問題なのは、ラポールができてしまった関係では、油断すると評価が甘くなることである。
仲良くなってしまうために、どうしても「かわいく」なってしまい、評価が甘くなってしまうのだ。

だが、研修における講師の評価は甘くてはいけない。
必要以上に辛い評価であってもだめで、公平な目できちんと判断しなければならないのだ。

これは、言うは易く行うは難し、である。
わかってはいる。

今年は「公平な目」を持てるように心がけようと思う。
気が付いたら変われるはずだから。

Takanori

社内講師をするときに

私は講師業をしているので、このような話をすると自分の首を絞めてしまうかもしれないのだが、今回は、社内講師向けの講師講習を行う際のポイントを書いてみたい。

研修にうかがうと「さすが外部講師ですね」と言われることがある。
社内の方が講師を行うのに比べて効果があったということだろう。

だが、社内の講師の方が講師スキルを学ばれたら、我々外部講師は全く歯が立たないだろう。

コストの面もあるが、何より社内の業務に精通していることが大きい。

技術講習においても、できるだけクライアントの意向は反映させようとは思うが、そのクライアントの実際の現場の仕事を知っているわけではないので、どうしてもミスマッチの部分が出てくることは避けられない。
オーダーメイドを基本として考えてもそうなのだから、あらかじめカリキュラムを決めている場合にはなおさらである。

もし、社内の業務、事情に精通している方が講師スキルを学ばれたら、的確に業務に役立つスキルを伝えられるだろうし、もっとも効果の高い研修になるだろうことは想像に難くない。

だから、クライアントの最大利益を考えると、やはり社内の方に講師スキルをお伝えするのがベストだ、という結論になるのだ。

社内で講師をされる方には以下の2つの点を意識していただくだけで、成果が大きく違ってくる。

・伝え方

・理解のしくみ

伝え方は以下の点に気をつけてもらいたい。

多すぎる言葉は伝わらない。
30分話を聞いてどれだけ覚えていられるか。
話し続けても自己満足になるだけ。ポイントをまとめて簡潔に。

早口の3分と、ゆっくり言葉を選んで話す3分ではどちらが伝わるか。
人間の脳は言葉を理解するのに時間がかかることを忘れない。
記憶に残したければ、残せる速度で話さなければならない。
また、理解のための間も大切。

専門用語などを初めて使うときにはきちんと説明をすること。
知らない言葉が出てくるとそこで思考が停止する。
専門用語以外に、一般的でない言葉も同様。

理解のしくみについては以下のような点が大切である。

理解するのに必ず時間がかかる。
どれだけ言葉を尽して説明してもその場で理解できることは少ない。
理解させたければ必要な時間をかける必要があり、その長さは人によって異なる。

理解するには気づきが必要
どれだけ言葉を尽くして説明しても、理解にはなかなかつながらない。
考えることや体験することを通しての気づきがなければ理解は生まれない。

理解しできるようになるためには訓練が必要
説明だけでできるようになるわけはなく、スキル化するには訓練が欠かせない。
研修でスキルを身につけさせたければ、必要な訓練時間を確保すること。

これらに加えて、モチベーションを高めること、適切な難しさの課題を設定することなど、ができれば、効果的な研修となることだろう。

さらに、研修時間のうち、講師の話している時間が1/4を越えたらそれ以上の話はあまり意味がない、ぐらいのつもりでいるとよいだろう。
ちなみに、私の基準は全体の1/6以下である。
講師の話す時間を短くすることで、残りの時間を「参加の時間」にできる。
受け身となる座学よりも、参加型の学習時間の方がはるかに有意義である。

これらは私が講師向け講師研修を実施するさいに、実際に実施ている内容である。
もっとも実施にあたっては、効果的な課題とグループワークにより、最大限の気づきと訓練ができるようにしている。

私は、社内にノウハウがあることに関しては、社内講師の方が効果的な研修を実施することができると考えており、コスト的にもそれがベストな方法であると考えている。
だから私は社内で講師をされる方に講師スキルをお伝えしていきたい。

もっとも低コストで、もっとも高い効果を得られる社内講師を育成することはこれからの社会できっと注目されていくことだろう。

さらに、講師スキルを学ぶことにはおまけもついてくる。
講師スキルはコミュニケーションスキルそのものであるから、きちんと学ぶことは、必ず講師以外の業務の質を上げることになるし、人間力の向上にもつながっていき、特に管理職の方には有効なスキルとなることだろう。

講師スキルを社内講師の方が学ぶことは、私のような研修講師が仕事先をなくすだけで、それ以外の誰も損をしない。
全ての組織に育てる文化が根付けば、私のような仕事はなくなるのかもしれないが、私はそのような社会になって欲しいと願っている。

なぜならば、育てる文化を広めることで世界をよい方向に変えていくことが私のライフワークだからだ。

すでに3月末までは講師を育てる仕事で埋まっている。
今年度の新入社員研修に向けて講師育成研修を私が実施できるのは、4月の第一週と3月末までの週末だけである。

興味のある方はぜひご相談いただきたい。

会社としての参加ではなくとも、個人で希望される方が多ければ集合研修を企画させていただきたいと思っている。
料金は人数によるが、それほど高くない料金でご案内させていただけるはずである。