Archive for 2014年1月31日

Takanori

いい日

研修をしていると「いい日」にあたる。

「いい日」というのは、受講者の方の成長や変化を感じられて、たまらなくうれしくなってしまう日のことだ。

 

今日はそんな「いい日」だった。

 

会場は学ぶことの熱気に包まれ、全ての受講者の方が熱く議論し、実践で試している。

そして、講師の私はその熱気を感じながら、一人、離れたところでそれを見ている。

ある意味、会場が私の手を離れた瞬間なのかもしれない。

そして、それは自発的な学びの姿勢が定着した姿なのだろう。

 

また、少し心配していた人が、発表で驚くような変化と成果を見せてくれる。

見事です、とか言いようがない。

そこまできた、努力と気持ちに胸が熱くなる。

 

そんなことが一緒におきる日がある。
ほんとに「いい日」である。

 

実は、ここ数日、毎日のようにいろんな感動をもらっている。
私は幸せな仕事に出会えた。
その幸せを、ぜひ、受講者の方にも感じてもらいたい。

あと、2ヶ月弱。

この講師育成研修において、私ができることは多くはない。
だが、その多くはないことに、全力を傾けよう。

私がもらった感動に報いるために。

Takanori

やわらかい実感

昨日、ラグビースクールのコーチ同士の新年会があった。

さまざまなことを話している間に、当然ながら、幾つもの言葉と出会ったのだが、その中で一つ、とても気に入った言葉があった。

表題とした「やわらかい実感」という言葉である。

この言葉を発した方は、別種目ではあるが、大学や高校での指導経験がある方で、その経験の後にラグビースクールでコーチングを学び、その後、また高校生を指導したときに、ラグビースクールでの指導の正しさのようなものを、「やわらかい実感」をもって感じたそうである。

このコーチは、グラウンドであまりきれいな言葉使いではない。乱暴な言葉ではあるのだが、「なんだ、このやろー」と言いながらにやりとしたりするので子供達はついていく。
このコーチの現場でのコーチング技術はとても高く、私も参考にさせてもらっている。
体系化されていないのかもしれないが、気持ちをつかむ基本はきちんとできているし、練習中の観察も指摘のタイミングも、メニューの展開のしかたも見事である。

恐らく、ラグビースクールでコーチとなる前にも、多くの試行錯誤と訓練を繰り返してきたのだろう。

そのような経験をし、コーチングを学ぶことで「やわらかい実感」を得る。
「あぁ、こういうことだったんだな」
という感じなのだろう。

他の先輩コーチとも、その感覚は分かるよね、という話をした。
コーチングの目指すところが腑に落ちた瞬間なのだ。

知る、と、理解する、の間は不連続である。
知る、と、理解する、の間には溝がある。

きっと「やわらかい実感」はその溝にかけられた光る橋なのだろう。

Takanori

空欄を使う力

研修の対象になるものは、二つある。

一つはプログラミング能力のように、動く、動かない、で結果を判定できる正解のあるもの。

もう一つは、コミュニケーションスキルのように、それが正しい、という本質的な正解がないものである。

正解のあるものは、比較的教えやすい。

極端な話、資料を用意し、演習問題をやってもらい、正解を与えておくだけで、本人に学びたい気持ちがあれば勝手に進んでいってくれる。
受講生に「学びたい気持ち」を持たせることができれば、それで研修の目的を達することができたりもする。
より効率のよい学びのためには、いろいろと工夫ができるが、基本はそれだけでよい。

だが、正解がないものはなかなか大変だ。

まず、何を学んでもらうべきか考えなければならない。
そもそも正解がないのだから、学んでもらうもの、というのを考えるだけで一苦労である。
どうやって学ぶか、というのも悩ましい。
知識だけの問題ではなく、考える力、判断する力を育てる必要があるので、単純に演習問題をやらせて答合わせをすればよい、というものでもない。

さらに、出てきた答えに対してのコメント力も求められる。
答がないものに対するコメントなので、けっこうたいへんである。

このように答がないものを教えるときには、何を学んでもらいたいか、についてきちんとした意識を持ち、伝えたい内容とその周りのことに対して自分の基準がないと研修も進められないし、コメントもできなくなってしまう。

世に存在する研修では、正解のないものに対して、仮の正解を決め、正解のある研修にしてしまっているものがある。
例えばコミュニケーションに関する研修で、ロールプレイをベースとした設問に対して4択で答えさせるようなものだ。
だが、それでは残念ながらコミュニケーションの力は身につかない。

大切なのは、その状態を自分で観察し、判断し、対応の仕方を考える力であり、正解を探す力ではないからだ。

正解がないのだから、ロールプレイであれば自分で対応を考えて記述するべきなのである。
力をつけるためには、そのための「空欄」が必須なのだ。

前述のように「空欄」を作ると、講師の側の対応能力が問われる。
正解がないことがらに対して、コメントをしなければならないのだから。

だが、本当の学びのためには「空欄」を扱う力が講師には欠かせない。
正解のないものに対する研修を実施する講師には、「空欄」を扱える力を身につけてもらうしかないのだ。

Takanori

社会人基礎力を学ばせる力

2014年の新人研修では、2013年度に引き続き、社会人基礎力がカリキュラムに組み込まれるらしい。

2013年度は、研修の中で用意されているカリキュラムよりもずっと濃い内容を実施する、というのを理解していただけたので、そのカリキュラムは実施しなかったのだが、今年は少し様子が違う。

私が担当する予定の会場で、そのカリキュラムを実施しないのは変わらないのだが、2014年度は研修に入る前に講師育成に関わることになったのだ。

講師経験の少ない方を含む全ての講師の方に、私と同じように、カリキュラムを実施しなくてもよいです、とは言えるはずもなく、どうしたら用意されているカリキュラムや資料を有効に使い、学習の効果を上げるか、というのを伝えていかなければならない。

実は、2013年度の研修の準備段階でも、講師の方に社会人基礎力研修の考え方を伝えさせていただいたりはしたのだが、決して十分と言えるものではなかった。
今年はもっと具体的にスキルを身につけていただかなければならない。

私自身も、これまでのさまざまな研修の実施の中で培ってきたさまざまなスキルを、改めてきちんと体系化することが必要になるだろう。
また、身につけてもらうための幾つかの課題を創ることにもなるに違いない。

私以外にも、講師育成に関わる講師の方もおられるのでその方々との連携も欠かせないので、多面作戦となることも必至である。

さいわい、社会人基礎力の考え方を伝えるのに半日程度しか使えなかった昨年とは違い、今年は3ヶ月弱の時間を使える。

3ヶ月弱という期間で、どれだけのことを伝えて、どれだけのことを考えていただき、どれだけの気づきを得ていただけるか、そして、私がどれだけのことを学べるか。

もちろん、講師育成なので、社会人基礎力だけではなく講師スキルも技術力も向上させていかなければならないのは、言うまでもない。

年が明けての3ヶ月弱は、私にとって新しい挑戦の期間になるだろう。

何を学び、何を創り、何を残せるか。

不安はあるが、期待の方がはるかに大きい。

Takanori

あけまして勉強会

2013年12月31日の翌日が2014年の1月1日であり、連続した時間である、というのが私の基本的な考え方である。

だから、今年の抱負、などというものもない。
昨年も行ってきたことを、今年もきちんと続けることができればいい。

もし、昨年になにか大きな失敗をしたりしていれば、今年の抱負とか心機一転という言葉も出てくるのであろうが、昨年と何かを変えなければならないこともそんなには思いつかない。
変化を望むことがあったとしても、それはこれまで続けてきたことの発展であり、今年になったからやらなければならないことでもないだろう。

とはいえ、やりたいことの期限を設定するのに年の変わり目というのは便利である。

今、いくつかやりたいことがある。

その中の一つが勉強会の立ち上げである。

私は、教える仕事をしている人を集めての勉強会を立ち上げたいと思っている。
私のような研修の講師、学校の教師、スポーツ指導者などが集まって、育てることの普遍的なことと個別の適用について議論し、アイデアを出し合い、実践の報告をする、というようなことができればうれしい。

学校の教師、スポーツ指導者はそうでもないだろうが、研修の講師のそういう集まりはあまりないと思うので、きっと有意義なものになるだろうと思う。

講師なら講師だけで集まればいいのでは、という意見もあろうが、私は、教える事があらかじめ決められている研修、自分で組み立てなければならない研修、スポーツの指導の現場などで「育てる」に触れてきて、それらの中から「育てることの本質」が見えてきたと感じている。
ぜひ多くの人にそういう経験をしてもらいたいと思う。

企業の技術者に教える研修の講師が、ラグビーのグラウンドで幼稚園児のさまざまなスキルを伸ばすために工夫をする、というのはあまり意味がないような気がするかもしれないが、とんでもない。
それがどれだけ役に立つのかは、やってみればわかる。
きっと驚くほど技術研修が変わってくるはずだ。

スポーツ指導者であっても、ただしい指導のスキルがどれだけ会社などで役立つものかを知れば、グラウンドでの指導もまた変わってくるだろう。

この勉強会の立ち上げを、ぜひ、今年の早いうちに行いたいと思っている。

最初は、Facebookやサイボウズ Live などを使って立ち上げることになるだろうが、できれば早い時期に定期的に集まれるようにしていきたい。

とは言ってもどれぐらい参加したいと思ってくれる人がいるのだろうか。

希望してくれる人がおられたら、ぜひ連絡をいただきたい。