Archive for 2013年3月28日

Takanori

研修時間を延長する

通常、研修において時間の延長は「御法度」なことが多い。

アンケートなどを記入してもらうのに10分程度の延長はあったりもするが、通常はそれも研修時間内に含めるべく運営を行う。
企業の研修などでは、時間外労働の問題があるし、一般参加の場合には晩ご飯の支度に、なんて場合もある。
子どもを保育園に迎えに、なんていうのも、時間を延長できない理由であったりする。

そうなると、例えば、9:00~17:00までの7時間が研修時間、などとなるのだが、内容によっては、7時間では短いなぁ、と思う時がある。

そんなときのためにとっておきの方法がある。

ただし、その方法が使えるための条件が2つある。

一つは、モチベーションが十分に高まっていること。
もう一つは、考える要素が、項目として少ないこと、である。

条件を満たしていれば使えるその方法とは、簡単に言えば、日をまたいで課題を設定することである。

考えてもらいたい内容を含む課題を、一日の最後に持ってきて、2時間必要なところを1時間半だけ実施して翌日に残りの30分もしくは少し延長して1時間を行うのだ。

そうすると、1日が終わっても、終わってない課題が気になり、どうすれば良いか、ついつい考えてしまう。
研修時間外にも課題を考える、ということになり、実質的に研修時間を延ばしたのと同じ事になる。

もちろん、全ての人が考えてくれるわけではないだろうし、研修時間内と同じ密度は期待できない。
だが、家に帰ってまでも考えている人がいる、というのは、全体に対してもとても良い刺激になるし、影響を受けて課題の成果も良いものになる可能性が高い。

このようにして時間を「実質的に」延長することは可能なのであるが、その課題に対してのモチベーションがなければ不可能であるし、複雑すぎて考えあぐねるような問題では、気力も続かないであろう。
だから、条件が必要になるのだが、条件さえそろっていれば、かなり有効な方法である。

だが、実を言えば、もう一つ、もっと簡単に研修時間を延ばす方法がある。

それは特に課題を設定する必要もなく、ただ、ただ、成長したい、と強く思ってもらうことである。

成長したい、と思っている人は、何も言わなくても、家に帰ってから課題を見つけ、自主的に学んできてくれる。
そうなれば、実質の研修時間は2倍にも3倍にもなるに違いないし、成長もその努力に見合ったものが期待できる。

多くの受講生に強いモチベーションを持ってもらえるような研修。

そんな研修を常に目指したい。

Takanori

Dチームという修行の場

私は今年の4月から、ラグビースクールでDチーム担当、ということになった。

Dチーム、というのは、未就学児のことで2歳から5、6歳までが所属するチームである。

チームとは言っても、交流会で試合が組まれることはあまりなく、ラグビーを教えるよりも、どうやって積極性などを引き出し、巧緻性などの年齢に応じた運動スキルを身につけさせるかが課題になる。

ラグビースクール関係者の間では、Cチーム(小学校低学年)のコーチはむずかしい、彼らには日本語が通じない、というのが共通の認識になっている。
Cチームのコーチが務まれば、B(中学年)、A(高学年)、中学生のコーチをすることは恐くない。

なぜ、Dチームではないのか、といえば、Dチームがないスクールも多いからであり、CよりもDのほうがさらに難しいのは想像に難くない。

そんなDチームの担当である。

これまで私は中学生の担当であった。
大人の言葉を使うことができ、一番楽をできるところであったのだが、今年はそれがDチームである。

実際のところ、DチームでもCチームでも言葉は通じる。
ただし、通じる言葉を使えれば、彼らの言葉を聞くことができれば、である。

そして、コーチングの基本である、やる気にさせること、ができれば、CチームでもDチームでも楽しんで取り組んでくれ、成長していってくれる。

それは分かっている。

難しいのは、育てたいスキルを考えて、それに対して楽しんで取り組んでくれる練習メニューを考えて、彼らの理解できる言葉で話し、彼らの言葉を聞き、実施すること、である。

言葉でごまかしたりできない分、我慢してもらえない分、コーチングのスキルがもろに出る。

そんなDチームを相手に、今年1年はコーチングの修行である。

新人研修でも新しい分野の担当になり、ラグビーのコーチでも新しい挑戦が始まる。

今年は、その他の事も含めて、挑戦、挑戦、挑戦、の1年になりそうである。

Takanori

技術系新人研修におけるグループワーク

当ブログへのアクセス記録を調べていたら、「グループワーク 新人研修」などというものがあった。
そこで、今回は、私がさまざまな研修において実施したことのあるグループワークをいくつか紹介したい。

まずは技術研修系。

「コンピュータはどこにある?」
導入としてよく使うグループワークである。
誰でも知っていることから始めるので話しやすく、グループワークの入門に適している。

「コンピュータは何をしている?」
どこにある?に続く流れとして実施することが多い。
少しずつ技術的な要素を加えていくのに便利。

「手順を考える」
歯磨きの手順を日本語で記述する。
といったところから、始めて、フローチャートで複雑な手順を書けるようにする。
基本的に個人ワークであるが、検証作業をグループワークにすると、効率も上がるし、盛り上がる。

「CPUごっこ」
CPUの内部動作を人間によりシミュレートする。
3×5などの簡単な処理手順を考えることで、説明で理解してもらうよりはるかに早く本質の理解につながる。
他の技術の理解にも役立つので、一粒で何度でも美味しい。

「設計書作成」
設計書のフォーマットを見せずに、設計書を書いてみる。
その設計書に基づいてプログラムを書くことにより、不備に気づき、正しい設計書に必要な要素と表現方法を見つける。
設計書を他のグループでコーディングするなど、レベルに応じてバリエーションを持たせることができる。
チーム作業スキルを鍛えるのにも適している。

「チームでプログラムを作成する」
スキルに比べて規模の大きいプログラムを短い時間でグループで作成する。
チーム作業にすることによりプレッシャーが高くなり、集中力が高くなる。

次にヒューマンスキル系。

「学生と社会人」
コスト意識を持たせたり、研修に臨む気持ちを作るのに役立つ。

「雨が降ったらどうなる?」
ブレインストーミングの導入として実施している。

「良いリーダーとは?」
チームの中での全員の参加意識を高めるのに有効である。
グループからリーダーを抜いて実施するとより効果的である。

「コミニュケーションとは?」
負荷のかかるグループワークがこなせなくなってきた頃に実施する。
チーム作業に必要なコミニュケーションスキルに気づける。

「講師の悪いところ、良いところ」
グループ内で感情的な対立が見られるようになってきた頃に実施する。
嫌いな人とも折り合いをつけながら、仕事をする必要があることを伝えるのに利用する。

「ゴールデンウイーク前に苦しかったこと、楽しかったこと」
二つのグループワークを連続して実施し、長期休暇の影響を速やかに取り除く。

挙げたもの以外にも「文章を暗誦させる」など伝える話し方の練習をするもの、「最低の○○を考える」などブレインストーミングの威力を実感できるものなどもあり、状況を見ながら必要なグループワークを適宜、織り込んでいくことになる。

ここに紹介したのは、私が実施して明確な効果があったと判断したものばかりであるが、導入や実施時の意識などが違えば、結果もことなってくるだろう。
設定する時間によっても意味が変わってきたりもするので、実施においては適切な時間を設定してもらいたい。
受講生の力で、2時間だと思えば1時間半を設定するように、少し短めにしておくことがこつである。

ただやらせればいい、というものではないことを理解していただいた上で、ご活用いただければ幸いである。

Takanori

教えたがり病

講師というのは、たいていが、教えたがり病と、自慢したい病に罹患していると思っている。

先生と呼ばれる状況や、教えなければ、というプレッシャー、受講生とのスキル格差などがあるので、比較的簡単に罹患し、発症する。

技術研修で、質問があるとニンマリし、受講生のプログラムに手をいれ「ほら、こうすれば動くよ。」と自慢げにやる。
重症である。

発症すると、とても気持ちよくなってしまうために、発症に気づかないこともよくあるし、そもそも、その存在自体があまり知られていない。

そして、発症を簡単にふせぐ特効薬はない。

だが、教えないで教える、を実現しようとすれば、これらの病は邪魔ものでしかない。

これらの病には、特効薬はないが、対症療法はある。

例えば、プログラムの書き方を教える研修では、受講生の書いているプログラムを見ないことで発症を防げる。
プログラムを見ずに、質問で疑問を聞き出していくのだ。
受講生が質問に答える中で、自然に考え、問題を発見してくれたりする。
そこで引き下がれば、教えすぎることはなく、病の発症を防ぐことができる。

質問は、技術研修以外にも有効な手段である。
オープンクエスチョンとクローズクエスチョンの特徴を理解し、答えをきちんと受け入れることができれば、多くの問題を質問により解決できる。

このように、直接答えを渡せないように、自分を縛るのが、対症療法として有効である。

では、治療法はないのか?

特効薬はないが、治療法はある。

一にも二にも、正しいコーチングが出来るように訓練し、受講生を信じることができるような経験を重ねることである。

運動し身体を鍛えれば風邪にかかりづらくなるように、講師として鍛えることで、発症しにくくなるだろう。

感染は避けられないこれらの病。
私も間違いなく感染している。

もうすぐ始まる新人研修において、発症させないように気を抜かずに取り組んでこよう、と思っている。