Archive for 2013年3月7日

Takanori

講師向け、社会人基礎力の対策講座

経産省が「社会人基礎力」という名前で12のスキルを「社会人」に必要なものだと定義している。

私がお世話になっている研修会社でも、今年からこの「社会人基礎力」に関する研修を取り入れることになった。

実のところ、私はどのようなカリキュラムであっても、社会人基礎力に含まれる要素を実践的なグループワークの中から身につけてもらうようなことを、10年続けてきているので、目新しいことはない。

新人研修物語(http://www.technosense.co.jp/RookieTraining.pdf)」を見てもらえればわかるように、単なる知識とかシミュレーションには留まらず、これらのスキルが実際に身についていく。
もちろん、皆が同じような人間になるわけではなく、それぞれの個性を活かしながら、自分に必要なスキルを身につけていってくれる。

だが、初めて講師をする人にとっては、このような研修でのコメントはけっこう大変だろうと思われる。
そこで、講師仲間のために、急遽、対策講座を開いたのであるが、そこで心がけたのは、言葉に対するイメージを豊かにしておくことであった。
徹底したグループワークによって、他の人の力も借りながら、自分の中の言葉のイメージを明確にしていくための作業をしてもらった。

例えば、12のスキルの中に「主体性」があるが、主体性とは何か、どんなシーンで発揮されるスキルか、他のスキルとどのような関係にあるのか、など、その言葉に対するイメージを豊かにし明確にしておくことで、受講生の意見に対してのコメントがしやすくなるはずである。

ヒューマンスキルを本当に学ばせようと思ったら、画一的な教え方はできない。

なぜなら、人によって情況によって、その時に必要なことも複雑に変わっていくからである。
毎回きちんと情況を見て判断することが、ヒューマンスキルの習得には欠かせず、講師の側にも臨機応変の対応が求められていく。

だが、臨機応変でも、軸が毎回変わってしまってはだめである。
きちんと芯の通った、その人の信念が感じられるような、ぶれのない対応が求められる。
それができるようになるためには、講師の中に言葉に対して明確なイメージがなければならない。

これまで、ヒューマンスキル研修におけるコメントなどについては、自然とやってしまっていた。

だが、それをスキルとして人に伝える事を考えた際に、言葉に対するイメージを豊かにしはっきりさせる、という、私の中でのぼんやりとしたイメージを明確に言葉にすることができた。

これは、私にとっては大きな成果であり、これからの研修にも役に立つに違いない。

研修でもっとも学べるのは講師である。

これを再認識することができた、対策講座の講師経験であった。

Takanori

講師の外せない3つのコツ

講師をするというのは、いろいろ不安なものである。
10年ほど講師をしていても、いまだに開始前の不安は尽きない。

だが、長く続けていると、これだけ守っていれば何とかなるのではないか、というポイントも見えてくるものである。

そのポイントを簡単にまとめてみたい。

主役は受講生

研修には多くの関係者がいる。
研修を企画した会社や受講生が所属する会社がある場合もある。
だが、どんな研修でも、受講生が主役である。

どんなに練った研修があっても、受講生が求めているものと違えば、それはよい研修ではない。

講師が主役になって、教えてやろう、などと考えたら、多くの研修は失敗するだろう。

欲張らない

受講生の学べる限界を超えて詰め込むことはできない。
理解していないことを、次の学びの礎にすることはできない。
じかんの限られた研修では、ついついいろんなことをやりたくなる。

でも、欲張ってはすべてを失う。

目的を持ち、理解を確かめ、着実に進むことである。

考えさせる

一日中、講師が話す日がある。
おそらく、講師の終わったときの、やり切った感は大きいだろう。
だが、それは自己満足にすぎない。
一日、話した内容のうち、受講生の中に残っているのはどれだけあるのか。
おそらく、びっくりするほど少ないことだろう。

一日を有効に使うためには、講師が話すのではなく、受講生に考えさせて、理解させなければいけない。
考えさせなければ、学ぶこともないだろう。

あらかじめ決められたカリキュラムがあったりして、思うに任せないときもある。
だが、この三点をわすれずに、必要ならば、カリキュラムを変えることも考えてもよいだろう。

心配ではあるだろう。

でも、上の三点を忘れなければ、受講生は必ずついて来てくれる。

大切なのは、最初に決めたカリキュラムではなく、現場の人であることを忘れてはならない。