Takanori

2年目の油断

今年も1月末から講師育成研修に携わっているが、3月になると「2年目の油断研修」というのを行うことになる。
はじめて研修会場に赴く新人講師の方ではなく、2回目、3回目となる講師の方向けの研修である。

講師業をはじめて最初の研修がうまくいった方が、2年目、3年目に失敗する例が後を絶たない。
それを防ぐための意識付けの研修である。

1年目がうまく行ったのに、なぜ2年目以降で失敗してしまうのか。

多くの場合の原因は「手抜き」である。

1年目にうまく行った理由は、受講者の為に一生懸命に工夫し、受講者のことを観察して行動したことだろうが、2年目では「去年できたから大丈夫だろう」と「一生懸命」をなくしてしまうのだ。
そして、成功した経験に依存するようになる。
成功した経験に依存し、工夫をせずに同じことをする。

だが、研修は、例え同じクライアントが会社であったとしても毎年違う。
人数が違うこともあれば、会場が違うこともある。
もちろん参加者の個性は毎回違う。

その違う研修で、前回と同じことをやってうまくいくわけがないのだが、「一生懸命の工夫」が欠けることで経験に依存してしまい、参加者にマッチしない研修となり、失敗してしまう。

もう一つの重要な原因は、不安である。

不安なので、成功体験にすがろうとする。
結果として、成功したと認識している「前年と同じこと」をやろうとするのだが、参加者が違う以上マッチしない。
結果、研修が失敗してしまうのだ。
大丈夫だろうという油断、不安から来る成功体験への依存、これらはどちらも「今いる参加者」を見ての工夫がない状態である。

実際に、毎年同じように参加者を観察し、マッチするような研修を組み立てることはたいへんなことである。
だから、手を抜いたり、成功体験に依存したりしたい気持ちも分からないではない。

でも、成功体験への依存ではうまくいくわけがない、というのを納得してもらうのが「2年目の油断研修」である。
今年も、今いる参加者をしっかり見て、研修を組み立てる必要がありますよ、に納得してもらうことが目的である。
失敗した後に「今年は参加者のレベルが低くて」という言い訳をする方もいる。
あえて、講師とは呼ばない。
研修の失敗を参加者のせいにするのは講師ではないからだ。
「研修が失敗したら講師のせい。
研修が成功したら参加者の頑張りのおかげ。」
講師はこの気持ちを忘れてはいけない。

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